身に付ける椅子「アルケリス」今春発売へ、一般向け・レンタルも視野…ロボデックス2018

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中腰の姿勢で長時間の作業をおこなえるウェアラブルチェア「archelis(アルケリス)」。医療現場からのニーズを製品化した
中腰の姿勢で長時間の作業をおこなえるウェアラブルチェア「archelis(アルケリス)」。医療現場からのニーズを製品化した 全 5 枚 拡大写真

 東京ビッグサイトで開催中の「第2回 ロボデックス ロボット開発・活用展」。ニットーのブースでは、中腰の姿勢で長時間の作業をおこなえるウェアラブルチェア「archelis(アルケリス)」が来場者の注目を集めていた。

中腰の姿勢で長時間の作業をおこなえるウェアラブルチェア「archelis(アルケリス)」

■医療現場のニーズが開発のきっかけに

 本製品はもともと、千葉大学フロンティア医工学センターの川平洋博士がニットーに開発を依頼したことがきっかけとなった。手術室は、基本的に立ち姿勢の作業環境。手術台の高さや計器など、すべて立ち姿勢で作業をおこなうことを前提に設計されている。しかし長時間のオペとなると、姿勢を維持し続けることが肉体疲労につながる。もっとも椅子を置こうにも、手術室には椅子を置けるスペースがない、あるいは床のコードなどに干渉してしまうといった問題も存在していた。

中腰の姿勢を維持しながら長時間のオペをする困難さを解決すべく、製品の開発が始まった

 川平博士からニットーに寄せられた要望は「立ち姿勢をサポートする」「コードレスで、電磁波にも影響しない」「立ち位置が変わるときにも対応できる」、そんな椅子を開発して欲しいというものだった。そこで同社では試行錯誤を重ね、数々の試作機を経てarchelisを現在の形にブラッシュアップしていった。その特徴は、体重をモモとスネで支えることで、腰や下半身への負担を減少し、体幹を安定させるというもの。軽量で強靭なカーボンパーツを適所に採用しているため、製品の重量も抑えられている。

ブースでは来場者がarchelisの装着感を試していた。ニットーは金属加工をおこなう横浜の町工場。同社の技術力により、カーボンパーツを適所に採用することができた

 ブースでは来場者がarchelisの装着感を試していた。マジックテープで固定するタイプで、また片足づつ独立しているので、着脱が簡単におこなえる。任意で可動域を拡大できるロック機構となっており、「中腰」「ほぼ直立」「自由に屈伸できる」の調節がワンタッチでおこなえるのも来場者に高評価だった。

■手応えは?価格はいくら?レンタルできる?

 ブースの担当者に詳しい話を聞いた。まず手応えを聞くと「充分すぎるほどあります。これまでは医療関係の展示会に出展していましたが、工場やロボット関係のエキスポに出展するのは今回が初めて。幅広い業種の方に興味をもっていただいております」と担当者。実際には、どのような業種から声がかかっているのだろうか。

 「いま多いのが工場関係ですね。ライン作業や、プレス・板金加工の現場で利用したいというお声があります。あとは警備員。そして食料関係、例えば大手チェーンのお寿司屋さん、ラーメン屋さんなど立ちっぱなしで作業をされる方。また美容師さんからも引き合いがありました」(担当者)。

工場関係者のほか、警備員、食料関係からも引き合いがあるという

 では、いくらで売り出すのだろうか。「今春(4月~5月)から、まずは医療向けに30~40万円で販売していきます」(担当者)。しかし一般市場に向けては、もっと価格を下げられる見込みだという。それは、大量生産でコストを削減できるからだ。「工場、あるいは一般向けには100~200台という単位で生産できる。そうなれば価格も下げられます」と話していた。このほか、レンタルに関しても検討中だという。

 外国人からの引き合いも増えている。担当者は「メールベースでは、30か国以上から声をかけていただいています。欧米だけでなく、中国や韓国などアジア圏からも問い合わせがあります」と明かした。ちなみにarchelisは膝の高さ、太ももの長さの調整が可能。これにより身長155cmくらいの人から、180cmを超える人まで利用できるという。

膝の高さ、太ももの長さの調整も可能。身長や体重を問わず、幅広い人に利用が可能だ

身に付ける椅子「archelis(アルケリス)」、今春に販売開始!……一般市場にも展開へ

《近藤謙太郎@RBB TODAY》

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