川崎重工がNY市地下鉄車両を大量受注…鉄道車両では同社最大規模になる可能性も

鉄道 企業動向
ニューヨーク市地下鉄のR142A車両。1999年に川崎重工が製造した、ニューヨーク市地下鉄のなかでは比較的新しい車両。
ニューヨーク市地下鉄のR142A車両。1999年に川崎重工が製造した、ニューヨーク市地下鉄のなかでは比較的新しい車両。 全 1 枚 拡大写真

川崎重工業(川崎重工)は1月25日、同社の米国現地法人「Kawasaki Rail Car,Inc」を通じて、ニューヨーク州交通局(MTA)傘下のNew York City Transit(NYCT)に向けた新型車両「R211」の受注を内定したことを明らかにした。

R211は、NYCTが運営するニューヨーク市地下鉄の近代化や旅客サービスの向上、利用客増を図るため、これまでの「R46」に代わる車両として535両が製造される。

鋼体は長さ18m級のステンレス鋼で、LED照明やデジタル表示器、広幅のドアが採用されているほか、一部にはニューヨーク市地下鉄の車両として初めて車両間貫通路が設けられる。編成単位は5両で、最大10両まで連結することができる。

構体製作をネブラスカ州のリンカーン工場、機器の取付けや最終組立、機能試験をリンカーン工場とニューヨーク州のヨンカース工場で行なうとしており、2020年から2023年かけて納入される予定。

なお、今回の受注では、さらに1077両を製造するオプション契約が付属しており、すべて行使されると総製造数は1612両となり、2025年まで製造が継続することになる。この場合の受注総額は日本円でおよそ4033億円に上り、川崎重工では過去最大規模の鉄道車両受注案件になるという。

川崎重工は、1982年に「R62」車両325両を受注して以来、NYCTに対して2200両を超える車両を納入しているが、R211の受注は、NYCTと同じくMTA傘下のロングアイランド鉄道・メトロノース鉄道向けの通勤用車両「M-9」やメトロノース鉄道向けの通勤用車両「M-8」、ワシントン首都圏交通局向けの7000系地下鉄用車両に続く大規模なものだ。

今回の受注に関して川崎重工では、「長年北米市場で培った豊富な実績に裏付けられる契約履行能力と、厳しい技術要求への対応力、アフターサービスも含めた信頼性が高く評価されたもの」としている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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