日産 田川常務「国内生産は今年度末までに正常化」…第3四半期営業利益は28%減益の3642億円

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日産自動車 田川丈二常務執行役員
日産自動車 田川丈二常務執行役員 全 3 枚 拡大写真

日産自動車が2月8日に発表した2018年3月期の第3四半期累計(4~12月期)連結決算は、国内工場での完成検査不正に関する費用計上や米国での在庫調整などが影響し、営業利益は前年同期比27.6%減の3642億円となった。

同期累計のグローバル販売自体は、3%増の411万台と堅調だった。海外は17年の通年販売が過去最高だった中国(1~9月分)が10%増の102万台となる一方、市場が鈍化している北米は1%減となった。また、日本は検査不正の影響が出る前に『セレナ』や『ノート』が堅調で、軽自動車も好調に推移したことから10%増だった。

しかし、営業利益段階では原材料費の上昇で801億円、米国でのインセンティブ積み増しなどによる販売関連費増で1386億円が減益要因となった。さらに、検査不正に伴うリコールなどの費用と、タカタ製エアバッグに関する米国での集団訴訟和解費用を合わせた一時的費用が804億円にのぼり、利益を圧迫した。

これに対し、購買費用などのコスト改善は1397億円だった。同期の為替レートは約1ドル112円で、前年より約5円の円安で推移し、323億円の増益効果となった。売上高は3.2%増の8兆5279億円だった。純利益は米国の法人税減税に伴う繰延税金負債の再測定で2077億円が増益効果となり、39.6%増の5781億円だった。

通期予想では、検査不正関連の費用を300億円上乗せして計900億円としたほか、米国での在庫調整に伴う費用として400億円を計上、営業利益は従来比で800億円減額の5650億円(前期比24%減)に下方修正した。米国の減税効果を反映した純利益は1700億円増額で過去最高となる7050億円(6%増)に見直した。

記者会見した田川丈二常務執行役員は、収益を圧迫することになった米国での在庫調整について「2017年モデルの生産調整が遅れ、在庫を減らさざるを得なくなった。収益と成長のバランスをとって米国事業を持続的成長にもっていく」と説明した。また、検査不正による国内生産体制については「ラインスピードは(問題発覚以前に)ほぼ戻っており、今年度末までに事業を正常化できると」との見通しを示した。

《池原照雄》

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