自動車ITセキュリティ研究の第一人者、フィッシュマイスター准教授「ソフトウエア技術を制すものが自動運転を制す」

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ウォータールー大学のセバスチャン・フィッシュマイスター准教授
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カナダ大使館は2月8日、「カナダの自動運転・コネクテッドカー研究」に関するセミナーを開催。ウォータールー大学(オンタリオ州)のセバスチャン・フィッシュマイスター准教授がその現状と今後の技術トレンドについて講演を行った。

同准教授は自動車ITセキュリティ研究の第一人者で、コネクテッドカーや自動運転車の安全とセキュリティを確実にするためのデータ主導型、エビデンス・ベースのアプローチに関する研究を行っている。これらに関する論文も100以上発表し、さまざまな賞を受賞している。

また、産業界とのコラボレーションにも積極的で、2014年には自動車部品製造協会(APMA)のコネクテッドカー技術デモンストレーター、2017年と2018年にはルネサスCES自動運転車デモ、など多くのデモカーの作製に協力している。

同准教授は自動運転車について「環境に優しいクルマで、さまざまないいところがある。コンピュータが適切にクルマを運転してくれるので、燃料を節約でき、時間も節約でき、エネルギーも節約することができる。同時により安全な運転もでき、道路上の事故を大きく減らすことができる」と話す。

しかし、言うは易く行うは難しで、乗り越えなければならない技術的なハードルがいくつもある。フィッシュマイスター准教授によると、その大きなカギとなるのはソフトウエア技術で、ソフトウエア技術を制するものが自動運転を制すると言っても過言ではないそうだ。

また、現在のリコール件数の30%以上がソフトウエアの不具合によるもので、自動車メーカーはその対策に取り組むことが重要と説く。しかし、人類がコンピュータを理解するのはもはや無可能になりつつあるとのことだ。

「コンピュータには膨大なコード行数があり、このコードの行数が何をしてているのか正確に理解することが困難になっている。そこで必要になってくるのがエンジニアを助けるシステムで、コンピュータがコンピュータを管理することが重要だ」とフィッシュマイスター准教授は説明し、AIなどによってシステムが適切に動いているか動いていないか判断させる必要があるという。

現在、大学が所有している4台の自動運転車を使って、さまざまな実証実験を行っているが、レベル5のクルマはまだ開発できていないそうだ。

《山田清志》

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