苦節30余年、ホンダジェット「世界一」でも手放しで喜べない理由[新聞ウォッチ]

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2018年2月23日付

●ホンダジェット世界一、小型機17年納入数(読売・8面)

●ジャガー新型SUV日本法人が発売(読売・8面)

●働き方改革、厚労省データに異常値117件、首相謝罪、「原票を精査」(朝日・1面)

●レクサスインド生産を検討、拡大する富裕層に狙い(朝日・11面)

●給油所にEV充電器、経産省が規制緩和策検討(毎日・6面)

●日本の車市場「閉鎖的」米大統領、経済報告で批判(日経・2面)

●タンク車全焼、男性1人死亡、狭山の整備工場(東京・30面)

●米GM、韓国政府と神経戦、出資や税優遇要求(日経・13面)

●トヨタ紡織社長に沼氏(日経・16面)

●駅のバリアフリー化加速、大規模駅に複数経路(日経・42面)

●新宿-多摩 小田急と火花、京王の有料座席指定発車(日経・41面)

ひとくちコメント

ホンダの小型ビジネスジェット機「ホンダジェット」の2017年の出荷数が43機に達し、重量5.7トン以下の小型ジェット機部門で、米セスナの主力機「サイテーションM2」の39機を抜き、初めて世界1位になったという。

全米航空機製造者協会が発表した集計結果で明らかになったもので、2月22日付の日経が、夕刊トップ記事で報じたほか、きょうも朝日などが経済面で「ホンダジェット世界一」と大きく取り上げている。このところ、ホンダの自動車関連の記事が紙面で派手に掲載されることは少なかったが、本業以外とはいえ久しぶりの“快挙”である。

ホンダジェットは最大7人乗りで価格は490万ドル(約5億2500万円)。主翼上面にエンジンを配置した独特なデザインが特徴で、ホンダの独自開発技術によりクラス最高水準の最高速度、燃費性能、静粛性や室内サイズを実現している。

2015年末から納入を開始したが、初期の開発段階からあきらめずに携わってきたホンダ・エアクラフト・カンパニーの藤野道格社長は「多くのお客様から、ビジネスジェット機としての完成度の高さなどに対して、非常に高い評価が得られていることをうれしく思う」などとのコメントを発表している。

また、日経も夕刊に続き、きょうも「なぜホンダだったのか」との解説記事を続報。1986年に極秘裏に開発をスタート、この間、企業業績が悪化したが、採算を度外視しても継続したことなど苦難を乗り越えてきたエピソードを取り上げている。

ただ、43機分を売り上げても収入はわずか230億円足らず、しかも営業損益は赤字続き。30年間、創業者・本田宗一郎氏の夢を追い続けた“道楽”ビジネスに投入した開発資金も膨大。日経も「順調にみえるホンダジェットも収益貢献は道半ば」として「ビジネスとして軌道に乗せるまでの我慢はもう少し続きそうだ」と伝えている。

《福田俊之》

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