UDトラックス クオン、ショックアブソーバ不具合で発火のおそれ…3145台をリコール

自動車 テクノロジー 安全
UDトラックス クオン
UDトラックス クオン 全 4 枚 拡大写真

UDトラックスは2月22日、大型トラック『クオン』のショックアブソーバなどに不具合があるとして、国土交通省にリコール(回収・無償修理)を届け出た。対象となるのは2017年4月28日~2018年2月15日に製造された3145台。

不具合箇所はショックアブソーバのほか、前輪ブレーキチャンバと前前軸右側タイロッドエンドの計3か所。ショックアブソーバについては2017年9月15日付けで、タイロッドエンドについては同年12月14日付けでリコールを届け出ているが、新たな原因が判明したため、対象を拡大し届出した。

ショックアブソーバについては、エアサスペンション仕様の車高調整装置装備車でピストン構造が不適切な事が判明。横力によってピストンとシリンダの接触面圧が過大となり、荷役作業時等で最大車高まで上昇させ下降する動作を繰り返すと、ピストンリング溝部で内壁を傷つけることがある。そのため、そのままの状態で使用を続けると、ピストンリング部に金属片が溜まり固着して、曲りや折損が発生し、最悪の場合、タイヤと干渉してバーストまたは発熱により発火するおそれがある。

改善措置として、全車両、ショックアブソーバを対策品と交換する。また、取扱説明書に車高調整装置の特性に関する記述の追補版を配布する。不具合は3件発生、事故は起きていない。

前輪ブレーキチャンバについては、組付作業が不適切なため、プラグ(閉止栓)またはテストニップルおよびブレーキホース接続部(ニップルおよびホース接続ナット)の締付トルクが不足しているものがある。そのため、そのままの状態で使用を続けると、プラグ等が緩みエア漏れが生じ、最悪の場合、脱落してエアが供給されず制動力が低下するおそれがある。

改善措置として、全車両、プラグまたはテストニップルおよびブレーキホース接続部(ニップルおよびホース接続ナット)を点検し、規定トルクで締付ける。不具合は1件発生、事故は起きていない。

前前軸右側タイロッドエンドについては、固定クランプ締付けボルトのメッキ前処理(酸洗い)工程が不適切なため、水素脆化によりボルトの強度が低下しているものがある。そのため、そのままの状態で使用を続けると、ボルトが破断してタイロッドエンド部にガタが生じ、最悪の場合、タイロッドチューブが破損して、操舵不能になるおそれがある。

改善措置として、全車両、前前軸右側タイロッドエンドの固定クランプボルトおよびナットを対策品と交換する。なお、ボルトおよびナットが損傷または脱落している場合には、タイロッドをアッセンブリで交換する。不具合は1件発生、事故は起きていない。

いずれも市場からの情報により発見した。

《纐纈敏也@DAYS》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 販売わずか3年の希少車種、「角目」のいすゞ『117クーペ』【懐かしのカーカタログ】
  2. 軽ワゴンの走りを変える! ブリッツ、新型『ムーヴ』『ステラ』用スロコンとターボ車ブーストアップパーツを発売
  3. 【日産 ルークス 新型】「ルークスはパイクカー」開発デザイナーが立ち返った“軽ならではのデザイン”とは
  4. 第3世代e-POWERの日産『キャシュカイ』が無給油で英国縦断! その実力に日本導入への期待高まる
  5. 「本当に世に出るとは」わずか1トンの車体に800馬力V12を搭載、「超アナログ」なスーパーカーにSNS沸く
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る