日産とDeNAの自動運転、「Easy Ride」に試乗…3月5日からは一般も参加

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指定した時間に合わせて「Easy Ride」の車両が到着した
指定した時間に合わせて「Easy Ride」の車両が到着した 全 16 枚 拡大写真

日産自動車は昨年12月、DeNAと開発中の無人運転車両を活用した「Easy Ridet(イージーライド)」の実証実験を3月5日より一般向けにスタートさせると発表。2月23日にはその準備が整ったとして発表会が行われ、一部報道関係者には事前に体験試乗する機会が与えられた。

一般参加者は抽選で選ばれた300組

実証実験が行われているのは横浜市にあるみなとみらい地区周辺。「日産・インテリジェント・モビリティ」ビジョンの下、電気自動車や自動運転、」コネクテッドカーなどの先進技術の開発に積極的に取り組む日産と、インターネットとAIを活用したサービス設計と運営ノウハウに経験豊富なDeNAのコラボによって実現したものだ。すでに実証実験への参加希望者の応募が1660人ほどあり、その中から300組が選ばれているという。

実証実験では専用のモバイルアプリで目的地の設定から配車、支払いまでを簡単に行うことができ、さらに目的や気分に合わせて地元のスポットやおすすめの観光ルートなどの行き先を自由に選択できる。会員は専用アプリで行きたい場所を入力するか、あるいはアプリから提案のあったおすすめの場所から目的地を選択。あとは迎えに来る時間を指定すると、その時刻に合わせて「Easy Ride」の車両が指定場所に到着する流れだ。

走行中は、通り沿いにあるお店やイベントのおすすめ情報が車内のタブレット上に表示され、クーポンを用意する店では「Easy Ride」利用者を対象とした限定クーポンをスマホにダウンロードすることができる。このクーポンは実際に店頭で使うことが出来るそうだ。

観光タクシー気分で先進技術が体感できる

実証実験での試乗では、日産グローバル本社の1Fアプローチから、実距離で4.5km先にあるワールドポーターズにあるハンバーガーショップへ行くことを想定して実施された。ここでスマホのアプリで呼び出す設定をすると、指定時刻にクルマが迎えに来る。この時、私有地だけを走行している間だけは運転席に人がいなくても走行は可能だ。ただ、我々が試乗した際はまだ準備段階ということもあり、万一のトラブル回避のために運転席にはドライバーは乗車していた。ただし、実証実験中は行動に出てもドライバーが運転操作をすることは一切なかった。

クルマが到着すると、乗車するためにロックをスマホで解除する。これは今後、このようなサービスが増えた場合に間違いを避けるため。ロックを解除して乗車すると車内のタブレット画面と音声でシートベルト装着が促される。シートベルトを装着するとクルマはゆっくりと動き出した。車両自体は自動運転を想定した装備が満載され、この区間に限った高精度マップも使用しているという。それだけに走行フィールはとてもスムーズ。右折時は対向車がいなくても交差点中央で一旦停止し、安全を確認した上で右折を実行した。一方で万一の追突を防止するため、車両の後ろには実証実験中であることを示すステッカーが貼られ、さらにあらかじめ用意した後続車が後方をサポートしていた。

目的地までの道中は様々なおすすめガイドが車内のタブレットを通して紹介され、まるで観光タクシーにでも乗っているような気分。走行中に今まで気づかなかったことも数多く案内されてかなり楽しい。発行されるクーポンも実利的なものが結構多く、実際に使ってみたくなる(取材日は筆者に時間がなく、使うことは出来なかった)。

この日の体験試乗で乗車したのはEVである日産『リーフ』をベースとした試作車。日産によれば「特に車両を限定しなくては出来ないサービスではない。ただ、イメージ的にも会社的にもEV押しでいきたい」とのことだった。

なお、一般参加者の募集は既に終了。実証実験は3月5日から18日まで、横浜市みなとみらい地区で行われる。

《会田肇》

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