スバル 吉永社長「若返り進める。2トップにはならない」…新社長に中村専務内定

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スバルの吉永現社長(左)と次期社長の中村専務
スバルの吉永現社長(左)と次期社長の中村専務 全 3 枚 拡大写真

SUBARU(スバル)は3月2日の取締役会で吉永泰之社長(63)が代表権のある会長に就き、後任に中村知美専務執行役員(58)が昇格するトップ人事を内定した。いずれも6月の株主総会後の取締役会で正式に就任する。

吉永社長は同日、中村専務とともに都内のホテルで記者会見し、社長交代の経緯について「昨年秋に(近藤潤会長ら)他の経営トップ層3人とともに若返りを進めた方がいいとの結論になり、私自身は9月末に社長退任の方針を決めた。その際、後任は中村さんがいいということでも4人の意見が一致した」と説明した。

その後に発覚した完成検査の不正問題との関係については「私が退任を決めたのは検査問題の前だったが、その後、他の3人もそれぞれの思索を経て(退任の)結論を出した。ひと言でいえば、個人としても企業としても、きちんとありたいという結論だ」と述べ、不正問題へのけじめをつける意味合いも含むとの考えを示した。

一方で、吉永氏が6月に会長兼CEOとして残ることに対しては「“真に正しい会社”となり、更に信頼されるブランドを築きあげるべく全力を注ぎたい。それをきちんとやることが責任だと思っている」と語った。同時に「(中村氏とともに)2トップになる気は全くない。中村さんと連携を取りながら邪魔にならないようにしていきたい」と、サポート役に回るとの意向を表明した。

中村専務は「自動車業界の大変革期であり、身の引き締まる思いだ。幸い、ここ4年は米国駐在で外から会社を見てきたので、強みも弱みも把握しているつもりである。過去から直近までの経験を生かし、軸をぶらさず経営に携わりたい」と、抱負を述べた。

中村氏は1982年に慶応義塾大学法学部卒後に入社、主として営業部門に従事し、主力の米国事業の成長にも貢献した。2011年に執行役員になり、14年から常務執行役員として米国販売会社であるSOAの会長を兼務、16年に専務執行役員に就いた。

吉永社長は11年6月に就任、軽自動車や汎用エンジンの生産から撤退して事業の選択と集中を進めるとともに、安全技術の「アイサイト」を強化するなどブランド力を高めた。主力の米国事業の拡大により、就任から約7年で世界販売を約6割拡大させ、16年には初めて世界販売を100万台に乗せた。17年4月には富士重工業からSUBARUへの社名変更も実施した。

《池原照雄》

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