神戸製鋼所の不正は1970年代から、5人の新旧役員が認識…川崎社長引責辞任

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引責を表明して、不適切行為を謝罪する神戸製鋼所・川崎博也社長
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神戸製鋼所は6日、新たに述べ163社で不適合品が納品されていたことを公表した。データ改ざんなど不適切行為による製品の納入は、昨年10月26日公表の525社と合わせて延べ688社に及んで決着した。

「根深い問題がある。今後さらに検討を深めていく課題も認識している。最優先事項として安全性の検証に取組み、抜本的改革を進める。信頼を失ったことは痛恨の極み。再び信頼していただける会社に生まれ変わるために、モノづくりの原点に立ち返り、不退転の決意で再発防止に努める」と、川崎社長は額に汗をにじませた。

不適切行為の拡大は、元大阪高検検事長を委員長とする外部調査委員会に委ねた調査で浮上した。自動車関連では、神戸製鋼所アルミ・銅事業部門で、缶材で使用されるアルミ板で7社、自動車や鉄道車両で使用されるアルミ押出品で4社で、その一部は納品の安全性が検証されたという。

ただ、そのアルミ・銅事業部門では現役の役員を含む新旧5人の役員が不適切行為を自ら認識しながら、取締役会への報告や十分な対策を実施しなかった。さらに、不適切行為を認識していた役員の中には、過去に不適切行為を自ら行い、部下に対してもその指示を行っていたことも判明した。

また不正は、長府製作所アルミ押出工場で、製造部門の担当者や課長を務め、後に専務執行役員となり退任した役員が1970年代から行われていたこともわかった。

これらの不適切行為の責任を取り、川崎博也会長兼社長、アルミ・銅事業部門長の金子明副社長執行役員が4月1日で引責辞任し、代表権のない取締役となる。引継後に6月下旬の株主総会で取締役も退任する。

また、藤井拓己氏と磯野誠昭氏の2人の常務執行役員が、不適切行為の責任を取り3月6日付で退任する。平田誠二執行役員は減棒80%4か月となる。さらに、社外取締役と監査等委員取締役を除いたすべての取締役、執行役員について基本報酬の10~50%を1か月~4か月の間、自主返納させる。また、過去の役員2人に対しても、当時の報酬の一部について自主返納を求めた。

新社長など後継の新たな人事は、「近日開催する取締役会で決議する」として明確にしなかった。

《中島みなみ》

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