日産リーフ 新型は「普通のクルマ」だった? 愛されるEV、その理由とは…オーナー座談会

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日産リーフオーナー6名が、リーフのある生活を語った。進行は御堀直嗣氏
日産リーフオーナー6名が、リーフのある生活を語った。進行は御堀直嗣氏 全 27 枚 拡大写真

電気自動車(EV)市場のパイオニアである新型「日産リーフ」。2017年10月に新型が発売され、40kWhのリチウムイオン電池の搭載などで航続距離400km(JC08モード)を実現、さらに高速道路単一車線での自動運転技術「プロパイロット」を搭載するなど、その先進性が話題となっている。一定の評価を得ている新型「日産リーフ」だが、その実態はどうなのか。オーナーの声から、新型「日産リーフ」のある生活、そのメリットを解き明かしたい。

今回レスポンスでは、男女6名の新型「日産リーフ」オーナーを集めた座談会を実施。驚くべきことに、6名全員が初代「日産リーフ」からの乗り換えオーナーだ。座談会に参加頂いたのは、小野優子さん、桑原文雄さん、諏訪敏さん(仮名)、高木治行さん、寺西五男さん、中村さつきさん。司会進行は日本EVクラブの副会長も務めるモータージャーナリストの御堀直嗣氏。

新旧の比較も含め、新型「日産リーフ」の魅力、そしてEVライフのリアルな実態にせまる。

◆日産リーフとの出会いは様々

----:みなさん、初代からの乗り換えですね。まだEVが一般的ではなかった時期に、なぜ「日産リーフ」を選んだのでしょうか。きっかけを教えてください。

諏訪:(初代が)発表されたその日にディーラーに行きました。乗って感動して、すぐに「これください」って。新型を選んだ理由も「出たから」です(笑)

高木:私はそれまでずっとハイブリッド車に乗っていたんですが、静かさと経済性が良かった。でもハイブリッド車だと出だしはモーターだけど、すぐにエンジンが掛かっちゃう。それがEVならずっと続くわけじゃないですか。ディーラーでリーフに試乗して静かさと乗り心地に感動しました。電気代や維持費を計算して「元を取れる」と思ったのもありますね。

----:モーターの快適さは、一度体験しちゃうと戻れないですよね。

高木:だから4台も買っちゃったんですけど(笑)今も、リーフtoホーム用に初代を使っています。

小野:EVを持つきっかけは、改造EVでスポーツカーを作ろうと思ったんです。私は実はEVの販売店をやっていまして。元々はガソリン車を売っていたんですけど、前社長が「クルマは電気に始まり、また電気に戻る。もう電気しかない」という持論でビジネスに。だからリーフにも「最初に乗らなきゃ」と思って、初代、新型と買いました。

桑原:学生の頃から40~50台のクルマを乗り継いでガソリンをばらまいていたんですが、ある時「これで良いのか」と思いまして。そんな頃にEVが出る、という話があって「今までガソリンをばらまいていた分、返さないとな」と、i-MiEVからBMW i3まであらゆるEVを乗り継ぎました。とにかく人と違う車に乗れるのが嬉しくて、加速も楽しかった。

----:様々なEVに乗られて、新型「日産リーフ」を選んだ理由は?

桑原:リーフtoホームが使えることですね。

寺西:私はとにかく新しいもの好きなんです。ディーラーでリーフの試乗車に乗り込んだ瞬間、メーターパネルの未来感にハマりました。アクセルを踏んだ瞬間の加速感に「あ、これだ」と決めましたね。最初は航続距離が200kmということで、奥さんにも反対されたんですが…なんとか説得しました。今では家族も満足していますよ。

中村:日産リーフに乗るまでは、EVってゴルフ場のカートをイメージしてました。楽しくはないけど、環境に良いから我慢して乗るものだ、って。環境のためにと思って試乗もせずに予約をして買ったんですけど、その後で試乗した時に「なんだ普通の車じゃないですか」って思ったんです。もっとストレスを感じるものだと思ったんですけど、快適だし静かで。それまで乗っていたガソリン車よりも楽しくて、初代はバッテリー交換までして9万kmくらい乗りました。

◆新型「日産リーフ」は「普通のクルマ」
EV専門店を経営する小野優子さん
----:出会いは様々ですが、みなさんに共通するのは実際に試乗してみたら、その楽しさや面白さから、迷わず新型「日産リーフ」を選んだという所でしょうか。さて、普段は新型「日産リーフ」をどのように使っているんでしょうか?

諏訪:平日は奥さんが近距離だけで使っています。週末には私が乗るんですが、大抵300kmくらい走りますね。私は日産リーフを特別なクルマではなく「普通のクルマ」として使ってますから長距離もバンバン走ります。昨年の10月に納車されて、もう5200km走りました。

高木:仕事でも使っているんですが、ほとんど短距離ですね。せいぜい片道100kmくらい。けど、たまに京都に行ったり、東北に行ったりもします。ひとりふたりだったら、日産リーフでどこへでも行っちゃいますね。

小野:300kmくらい走ることもありますね。新型はそれだけ長距離でも途中で1回充電すれば十分ですから、普通のクルマと変わらないですよね。

桑原:私はヘビーユーザーですから、月3000kmくらい走ります。だからガソリン車と比べると経済効果は大きいですよ。自宅はリーフtoホームで深夜電力プランにしていますから、毎月の充電代は3000円くらい。平日は1日70kmくらいしか走らないので、1週間に1回充電すれば良いくらいですから。新型は航続距離も伸びましたからね。

寺西:平日は自宅に置きっ放しでリーフtoホームの蓄電池になっています。夜、子供の送り迎えや買い物に少し乗るくらい。だけど土日はじっとしていられないので、あてもなくどこへでも行きますね。片道100~150kmくらいは平気で走ります。岡山とか山口とか、九州にも行きましたよ。初代の時は九州に行くのにも17~18回とか充電しましたけど(笑)まだ新型では行っていないですが、3~4回で済むでしょうね。

中村:普段は多くても通勤含めて20~30km。ガソリン車のときは毎月1000kmくらいだったのが、初期型に乗ったら2割くらい多く走ってました。新型に乗り換えてからは4か月で4000kmくらいなので、まだペースはおさえめ。暖かくなったら遠出することになるでしょうね。そういえばこの4か月、外で充電したことがないんですよ。

----:それはすごいですね。やはり新型になって、バッテリー容量が増えて航続距離が伸びたのは実感としてありますか。

中村:片道100kmくらい走っても充電せずに帰れますからね。初代は外で充電する必要があったので月2000円の「使いホーダイプラン」に入っているんですけど、新型にしてからは「もう解約する?」って(笑)

諏訪:長距離を走るとよくわかりますよ。明らかに充電のタイミングが変わりました。今まで5回だったのが、1回で済むイメージ。楽になりましたよね。電池容量って、大きすぎても結局充電時間が増えてしまうんですけど、新型の40kWhはジャストな数字なんだと思いますよ。

寺西:新型は真冬でも、暖房をガンガン入れて走れる。30秒くらいで温風が出て、シートヒーターまで付いてる。もう高級車ですよ。

桑原:4倍くらいは走るイメージですよね。初代で気仙沼を往復した時は10回くらい充電したけど、新型なら2~3回で済みますよ。私はもともと、高速道路をあまり走らないんです。飛ばすと電費も悪くなるし、下道ならいざという時、コンビニでもディーラーでもどこでも充電できますから。けど新型ならそんな気を使う必要もないんじゃないかな。

中村:ガソリン車から日産リーフに乗り換えた時、まず外でガソリンスタンドが目に入らなくなったんです。それが新型リーフになったら今度は、急速充電器の青いマークすらも気にならなくなりました。前はオアシスだったのに(笑)

◆先進機能の使い勝手は
国内外のEVを乗り継ぎ、現在は新型リーフオーナーとなった桑原文雄さん
----:新型ならではの機能として、高速道路 同一車線自動運転技術「プロパイロット」が採用されました。装備されている「G」グレードをお持ちのみなさんは、使ってみていかがですか?

寺西:私の家は娘も運転するんですが、運転が下手で、特に駐車ができない。「プロパイロット」が出た時は「こりゃいいや」と思いました。自宅はまだしも、外で駐車できないのは困るから「プロパイロット パーキング」は有難いですよね。私も新しもの好きだから積極的に使うようにしてます。

諏訪:前向き駐車をするときに「プロパイロット パーキング」を積極的に使ってます。都心だと結構せまい駐車場が多くて、しかも「前向き駐車でお願いします」とか多いじゃないですか。そんな時、奥さんは絶句しちゃうんですよ(笑)けど、そんな時にすっと駐めてくれる。私も前向き駐車は得意じゃないから、勉強になります。

中村:自動ブレーキとか自動運転は、もちろん知ってはいましたけど必要ないかなと思ってました。けど、夫がエクストレイルを買ったらそれには「プロパイロット」が付いていて、試してみたら私に必要なものだ、って思ったんです。そうしたら新型にはそういった先進技術が全部付いているわけじゃないですか。今は「プロパイロット」が、私をすごく助けてくれています。

諏訪:高速道路を走る時は「プロパイロット」を入れっぱなしにしてますよ。けっこうしっかりと白線を読んでストレスなく走ってくれますよね。基本、それだけで目的地に着いちゃいますから楽です。けど、あまりに楽だと逆に眠くなっちゃいますが、充電のタイミングで休憩できますからちょうど良いですね(笑)

----:「e-Pedal」の採用も新型ならではですが、みなさんは使っていらっしゃいますか?使い勝手はどうでしょう。

桑原:私はもう「e-Pedal」しか使わないです。

諏訪:私はべた褒めしますよ。峠道を走る時なんかは、「e-Pedal」でシフトをBモードに入れて走ると、アクセルだけでコントールできて、しかも電費も良いんですよ。ぜひ試してください。あとは凍結した雪道でもしっかり走ってしっかり止まってくれる。これは本当に日産を褒めたい(笑)

高木:普段は街中しか走らないからほとんど使わないですね。

桑原:街中でも楽ですよ。信号でいちいちブレーキふまなくて良いので、私は街中でこそ使ってますよ。

中村:7年近く、初代「日産リーフ」の走りに慣れていたのでまだ上手くできないんですが…今は修行中です(笑)

小野:私は使いやすかったですね。まだサーキットでは試してないんですけど、ちょうど新型「日産リーフ」で今度、レースに出場するので試してみます。

◆新型「日産リーフ」以外の選択肢はないんです

----:EVというと、とかく航続距離や充電回数などが焦点になりがちですが、初代から乗っていらっしゃるみなさんのお話を聞いていると、それ以上にEVならではの運転の楽しさや新型「日産リーフ」そのもの商品の魅力が上回っていると感じます。最後に、新型「日産リーフ」の満足度を教えてください。

高木:私は90点。初代も持っているので比較しちゃうと、新型は電池容量が増えた分、充電時間が長いんですよね。ただ絶対的な航続距離は長いですから、比較の仕方しだい。ただ、乗り心地や静音性さなど車の本質的な部分は大幅にアップしてますので、もう格段に違いますね。そこは大きく評価できるところです。

小野:私も90点。EVとしては満足です。「プロパイロット」はまだ使い勝手が悪い部分もあるけど、チャレンジ精神は評価しています。これからユーザーからのフィードバックで良くなっていくでしょうしね。

桑原:色んなEVに乗っているので、比較しちゃうんですが…やっぱり質感とか高級感では、輸入車系が良いですよ。マルチディスプレイとか。だけど、リーフの良いところって色んなものの「良いとこどり」をしているところなんですよね。日産はユーザーの声をよく聞いているなっていうのがよくわかる。「e-Pedal」も、新しいことをやろうとしていながら、それを使わない選択肢もある。乗り味にしても、初期型はアンダーステアが強かったですが、新型はワインディングでもしっかり走れるコーナリング性能になった。私も90点ですね。

諏訪:初代の時は100点と即答だったんですが、今回は厳しめで70点。だって日産さんがもう「普通の車です」って言ってますから、普通の車として判断させていただきます。好みの問題ですが、エクステリアもインテリアもあまり好きじゃない。メーターパネルの先進性も初代の方が良かった。もういっそインフィニティブランドで高級車に仕上げてくれたら100点だったかな。

----:それでも新型を購入されたわけですよね?

諏訪:新型もEVとしては100点満点なんです。機能、性能は本当に素晴らしい。そこになんの不満もないですからね。

一同:その通り。
「リーフを持って生活が一変した」と話す寺西五男さん(左)
中村:私は100点です。初代のサンショウウオみたいな可愛い形が好きでしたから、そこだけは残念ですが(笑)今の日産リーフは初代よりもさらに好きな乗り味になっているんです。クルマは見るものではなく走るためのものですし、私は道路を走りたい。そのために航続距離も伸びて、あれだけの安全装備もついて、さらに初代とほとんど同じ値段ですから、日産が走るためにこれだけしてくれたんだ、って思うともう100点満点です。

寺西:私は95点。日産リーフに乗ってから、本当に人生が変わったんですよ。クルマで家の電気をまかなえるからリーフtoホームにして、自宅をオール電化にして、もともとはガラケーで良かったけど、リーフに乗る仲間がたくさんいることがわかって、連絡を取るためにスマホにして。オフ会もどんどんやったらさらに楽しくなって、65歳を越えてからサーキットデビューまでしちゃいました。そうしたらこれもハマってしまって(笑)

----:それは素晴らしいですね。謳歌していらっしゃる。

寺西:日産さんが大阪でオフ会をやった時にはゴーンさんと握手もできました。人生でこんなことそうそうないですよ。リーフに乗ってから本当に色んな新しい経験があった。リーフならどこへでも行ける。月2000円払えば提携の充電器は日本のどこでも充電できるんですからね。走り放題、旅放題です。リーフtoホームもありますからね、だから今はもうリーフ以外の選択肢はないんです。

◆クルマ本来の魅力が愛されている…御堀直嗣氏
日本EVクラブの副会長も務めるモータージャーナリストの御堀直嗣氏
EVというと、とかく充電の手間や航続距離が争点となりがちだが、初代から日産リーフに乗っているオーナーのみなさんは、もともと航続距離を気にしていなかったことに気づかされた。

自分のクルマの使い方に合っているかどうか、それを人の話ではなく自分の事として真正面から捉えている。オーナーのみなさんは、実際に試乗してみて、クルマの楽しさや面白さから、迷わず日産リーフを選んでいた。環境性能を意識しながらも、それが一番の理由で選んでいたのではなく、クルマ本来の魅力を語っていたのがとにかく印象的だった。

その上で、新型「日産リーフ」は航続距離がさらに伸びたことにメリットを感じていながらも、購入の理由はそこではなく、EVならではの走りの良さや快適性などがガソリン車と比べて優れている点を評価していた。

「e-Pedal」や「プロパイロット」などの先進技術は、その価値を評価しながらもまだユーザー側で上手な使い方を模索している段階のように感じられた。これについては、体験試乗会やオフ会などを通じて、日産がもっと上手な使い方を教える必要があるのかもしれない。メディアの伝え方を含め、新技術の導入に際してはもっと現場・現物でやるべきことが残っているということだと感じた。

オーナーの日産リーフ愛は深い。彼らの体験や声が、新型「日産リーフ」を、あるいはこれからのEVの未来を育てていくに違いない。

◆新型「日産リーフ」詳細はこちらから

《聞き手:御堀直嗣、まとめ:宮崎壮人》

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