アフターマーケットに対応できるショップや流通網は、自動車ユーザーの心強いバックアップだ。しかしここにきてその環境に不安を感じる声も聴かれる。純正パーツをショップや整備工場に供給しない輸入車ブランドがあるという。
国際オートアフターマーケットEXPO2018に出展し、カレントパーツサプライを展開する、カレント自動車の江頭大介社長も不安を感じる一人だ。「問い合わせで増えているのが、パーツがディーラーから手に入らなくなったので、私共から供給を受けたいというショップからの問い合わせです」
この話だけだと、カレントパーツサプライが繁盛して悪くはないと思えるが、そうでもない。「まず需給のバランスという面で非常に不安です。今まで様々なショップで分散して対応していたものを集約しようとするのですが、そこですべてを対応しきれるとは思えないのです。私たちも高年式のクルマの整備を引き受けますが、その際にディーラーから純正パーツが入らないのは困ります」
カレントパーツサプライでは、ヨーロッパのサプライヤーでオリジナルブランドのパーツを製作し、日本国内にストック。長野県須坂市にあるロジスティクスセンターから発送し、ドイツメーカーの機関系部品を中心に供給体制を整えている。それでは追いつかなくなるのではないか、というのが不安の種なのだ。
「ディーラーの立場になってみると、外部へパーツを供給するとディーラー権をはく奪されることもあるようで、こちらから無理を言って出してもらうこともできません」
「一つ言えることは、しわ寄せはユーザーに行くということです。今後この動きが広まると、ディーラーの価格でしか整備を受けることができなくなり、作業が集中すれば待ち時間も今まで以上にかかるでしょう。アフターマーケットとしてはこうした動きに対応を考えていかねばならいと思います」