渋滞最後尾、ハザードランプ点灯で追突防止を…静岡県警高速隊が異例の呼びかけ

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ハザードランプ点灯を呼び掛ける、静岡県警高速隊・望月敏行副隊長
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高速道路での渋滞車列への追突事故を防ぐため、静岡県警の高速道路交通警察隊がハザードランプ点灯の呼びかけを行った。なぜ高速隊は推進することを決めたのか。同隊の望月敏行副隊長に聞いた。

「県内では工事渋滞などの車列に大型トラックが追突して尊い命が失われるなどの交通事故が起きている。『防衛運転』のためにもハザードランプを点滅させて、運転者がお互いに注意喚起してもらおうという趣旨」

静岡県内の高速道路死亡事故は、1日に東名高速道路上り線富士IC付近(富士市伝法)で、10日には新東名高速上り線森掛川IC付近(掛川市原里)で発生した。10日の事故は最高速度を110km/hに引き上げた試行区間で起きている。いずれも渋滞車列の最後尾に大型トラックが追突する多重事故だった。

「ハザードランプを点滅させることで、後方から近づく車両に、前方の注意を意識させることができる。追従する車両はブレーキのタイミングが取れて、悲惨な事故を防ぐことにつながる」

実際に、どのような使い方をすればよいのか。「渋滞車列に従って減速する時点で、ハザードランプを点灯し、走行が再開されたり、自分の後ろに車列ができた時点で消灯を」。

道路交通法など関係法令にも、駐停車をする場合にハザードランプを点灯させなければならないという規定はあるが、今回の呼びかけは、義務として定められているものではない。同隊の呼びかけがあるまでは、ハザードランプ本来の使い方ではないという意見もあった。だが、望月副隊長はこうも言う。

「こうした渋滞時に注意喚起を行うために点灯させることは、違法なわけではない。安全な高速道路走行にご協力いただきたい」

職業ドライバーの一部で用いられていた注意喚起が広く行われて、事故減少につながることを期待したものだ。

今後は春の交通安全運動などでの啓発を行うほか、高速道路会社の工事看板などでも、運転者に呼びかけを働きかけていく。

《中島みなみ》

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