【VW ポロ 試乗】燃費だけを求めるならポロは選ばない…岩貞るみこ

試乗記 輸入車
VW ポロ
VW ポロ 全 10 枚 拡大写真

日本でも1996年の発売以降、定番として愛されている『ポロ』である。ほとんどのクルマが、モデルチェンジをするたびに、「室内空間」「衝突安全性」を言い訳に大きくなる。ポロは頑なに固辞していたけれど、ついにその波はポロにまで押し寄せ、先代に比べると横幅は65mm大きくなった1750mm。3ナンバーの仲間入りである(横幅1700mmまでが5ナンバー)。

とはいえ、今は税金による差もないので、単に数字の問題だと言われればそうなのだが。横幅が増えた広さ感は、鈍感な私にしてみると、うーん…そうなの?というレベルだが、ホイルベース(前後のタイヤ間隔)と全長が伸びたメリットは、後席でたっぷりと実感できる。

身長170cmの私が運転席でドラポジをとると、後席に座る人の足先はシート下に潜り込ませなければならないけれど、それでも、シート座面は前後にほどよく長さがあり、おしりから大腿までを受け止めてくれて安心する。

エンジンは、1.2リットルから1リットルへと小さくなった。この小排気量であってもインタークーラーターボがついていて、伸びやかな走りであることに間違いはない。ただ、最大トルクが発揮されるのが、2000回転からというのが気に入らない(1.2リットル時代は1600回転から)。アクセルを踏みこんでから2000回転に上がるまで、力不足を感じてしまうのだ。特に、40km/hで走っていて、ちょいっと加速したいときなどワンテンポ遅れて加速する感じでリズムが合わないのである。

ただ、Sモードに入れると話は違う。常に2200回転くらいをキープしてくれるので、本来のポロに期待するきびきびした走りが堪能できる。これぞポロ!そうそう、これが国産チョイノリコンパクトとは違う、ハンドルをきるとしゅっと曲がりながら加速していく軽快感!

そう気をよくしてしばらく走っていると、ご丁寧なことにセンターパネルに突然、メッセージが現れた。「燃費向上のために、Dレンジに入れることをお勧めします」とかなんとか。ええい、余計なお世話だわ。私はSモードの走りが好きなのよ?クルマに燃費だけ求めるならばポロは選ばない。ポロのよさは、走りにあるのである。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。9月よりコラム『岩貞るみこの人道車医』を連載。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

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