【SUPER GT 富士テスト】GT300クラスに参戦する“NSXの伝説的名手”道上龍…NSX GT3は「フィーリングいい」

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道上龍&大津弘樹の#34 Modulo KENWOOD NSX GT3。
道上龍&大津弘樹の#34 Modulo KENWOOD NSX GT3。 全 8 枚 拡大写真

今季SUPER GTで話題のマシンといえるのが、GT300クラスに参戦を開始する「NSX GT3」。そのうちの1台を駆るのが、先代NSXの時代にGT500で王者となった“NSX使いNo.1”の道上龍である。公式合同テスト開催中の富士スピードウェイで、道上に感触を聞いた。

道上龍(みちがみりょう)は45歳のベテラン。長く「ホンダのエース」として活躍し、日産の本山哲、トヨタ/レクサスの脇阪寿一らとともに全日本GT選手権(JGTC)~SUPER GTで主役を張ってきたドライバーである。2000年には先代NSXベースのGT500クラスマシンで同クラスのチャンピオンに輝くなど、NSXの伝説的名手と評してもいい存在だ。

近年の一時期、道上はドライバーとしては第一線から退き、チーム運営の方に傾注していたが、一昨年の世界ツーリングカー選手権(WTCC)スポット参戦を機にドライバー業を本格再開。昨年はWTCCにシビックでフル参戦し、日本人選手初の3位表彰台を獲得した。

そして今年、道上は自身のチーム(Modulo Drago CORSE)の代表兼ドライバーとして、#34 Modulo KENWOOD NSX GT3でSUPER GT/GT300クラスに挑むことに(パートナードライバーは大津弘樹、タイヤはヨコハマ)。18年という時を超え、NSXによるGT500、GT300の両タイトルコンプリートを狙う、そういうかたちにもなる。

「いろいろ考えながら、他ではあまり見られない(チーム代表が)自らハンドルを握るということをやっています。チームには監督(チョン・ヨンフン氏)を含めて信頼できるスタッフが揃っていますから、(サーキットでは)自分は走りに集中して、NSX GT3を仕立てているところですね」

公式合同テストは前週に岡山で2日間あり、今回の富士でも2日間。富士の初日(3月24日)を終えた段階でのNSX GT3の仕立ての感触は「ポテンシャルはあると思います。ただ、レースにはBoP(バランス・オブ・パフォーマンス、いわゆる広義の性能調整)があり、それによって速さが決まってくる難しさもありますからね。でも、フィーリングは非常にいいものがありますよ」。まずは好感触、のようだ。

岡山と富士を比べると、「富士の方がより向いているのかもしれませんね。空力的なこと、それに我々のタイヤも含めてのところですけど、現時点ではそんな感じがしています」。富士はシリーズで唯一、年間2開催ある舞台。そこで好調を保てれば、いきなりの王座戦線参入も見えてくるか。1994年からのJGTC~SUPER GTにおいてGT500とGT300の両クラスでドライバーズチャンピオンとなった選手は意外と少なく、現段階では柳田真孝のみとされる。

「そうなんですか。(2000年のGT500以来)18年ぶりのチャンピオンを? (あいだが)長いですねえ」と笑いつつ、道上からは「頑張ります」と、力強いひとことも。そして翌日、富士テスト2日目(25日)の午前セッションで道上&大津の#34 NSX GT3はクラス5位のタイムをマークした。名手の仕立てはさらに進んでいるように思える。

多車種による戦国模様となることが多いGT300クラス。道上が乗る#34 Modulo KENWOOD NSX GT3も、今年2018年の主役候補の1台といってよさそうだ。

《遠藤俊幸》

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