日産 坂本副社長「リーフの再販価格上げにも貢献」…再生バッテリー事業

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フォーアールエナジー 浪江事業所
フォーアールエナジー 浪江事業所 全 4 枚 拡大写真

日産自動車は電気自動車(EV)『リーフ』の旧型車向けに再生バッテリーを販売する事業を5月の連休明けから始める。この事業について、3月26日に記者会見した日産の坂本秀行副社長は「リーフの再販売価格を引き上げることができる」との見方を示した。

この再生バッテリーは日産と住友商事が設立したフォーアールエナジー(4R社、横浜市)の浪江事業所(福島県浪江町)が手掛ける。同事業所は、EVで使用されたリチウムイオンバッテリーのリサイクルや再製品化を行う専門工場であり、今月から稼働している。

旧型リーフ向けの再生バッテリーは、4R社が回収したなかで、性能の劣化が少ない状態の良い電池モジュールを再利用するもの。性能は、新車時のおよそ8割程度を確保できるという。まず、初代リーフの最初のバッテリー容量である24kWhのタイプを再生品として販売する。価格(税抜き、以下同)は30万円で、このほか日産系ディーラーでの交換工賃が4万円程度必要になる。

日産はリーフ向けに新品バッテリーの交換も事業化しており、容量が24kWhだと65万円、30kWhだと80万円となっている。再生バッテリーは若干性能は低下するものの、半額以下での交換が可能だ。当初は、年数百台規模の需要を見込んでいる。

EVのバッテリー交換が割安で可能となることについて、日産の坂本副社長は「この事業を検討した当初は想定していなかったが、リーフの中古車残価に貢献し、再販売価格を引き上げることができる」と指摘した。リーフは世界でも先陣を切った量販EVだったが、走行性能に直結するバッテリーの耐久性への懸念などから「米国などでも中古車の再販価格は低い状態」(坂本副社長)にあった。ただ、新品バッテリーへの交換が可能となって以降「国内の中古車オークションではすでに(価格上昇が)反映されている」(同)という。

日産は、今後は現行の2代目モデル向けの再生品事業も展開する計画であるほか、リーフを販売した海外市場での再生品販売も検討していく。

《池原照雄》

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