新幹線札幌駅ホームは「大東案」で決着…乗換え跨線橋は在来線改良工事として建設

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大東案の構造。2面2線のホームが、駅東側の創成川を跨るように設置される。
大東案の構造。2面2線のホームが、駅東側の創成川を跨るように設置される。 全 1 枚 拡大写真

独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)は3月29日、同日に開催した「北海道新幹線建設促進北海道・札幌市調整会議」の審議内容を公表した。

この会議は、国土交通省(国)、鉄道・運輸機構、北海道、札幌市、JR北海道の5者が、2月から北海道新幹線札幌駅のホーム位置を検討するために開催されてきたが、今回の会議では、JR北海道が提案していた「東案その2」(いわゆる、大東=おおひがし=案)を採用することに決定。当初の認可案(後の「認可見直し案」)に加えて、西側案、東側案、地下案と変転した札幌駅新幹線ホームの位置問題がようやく決着した。

大東案によると、新幹線ホームは2面2線の相対式で、在来線ホームとは乗換え跨線橋で結ばれる。この跨線橋はJR北海道が在来線改良工事の一環として建設するもので、その移動距離はおよそ300m、乗換え所要時間は6分程度と見込まれている。

2面2線となることで、乗車と降車の動線を分離することができ、位置的には札幌市営地下鉄東豊(とうほう)線に近くなるというメリットもあるという。

工事費は約645億円が見込まれており、1・2番線ホームを転用する「認可見直し案」より75億円程度割高となるが、差額についてはJR北海道が負担する意向を示している。

なお、今回の決定に先立ち、3月17日には札幌市内で北海道内の経済団体を招いた懇談会が開催されているが、在来線との乗換えを考慮した動く歩道や、VIPラウンジなどを設置する要望が出されている。

大東案の決定により、これまで認可案を基に札幌駅周辺のまちづくり構想を検討してきた札幌市は、その見直しを迫られた恰好になったが、札幌市の秋元克広市長は3月28日に行なった会見で、大東案に決定したとしても「無駄な時間、無駄な計画を作ったということではありません」と述べている。

また、大東案で生じることが懸念されている費用の追加負担については、認可案の段階で、自治体(北海道、札幌市)の応分の負担を超えるものについては、JR北海道の負担になる申合せになっているとして、「基本は新たな負担を生じないようにしてほしいということは申し入れていきたい」という意向を示している。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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