コンコルソ・デレガンツァ京都2018が閉幕…ベストオブショウはアルファロメオ 6C2500SSヴィラデステ に

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コンコルソ・デレガンツァ京都2018
コンコルソ・デレガンツァ京都2018 全 20 枚 拡大写真

京都元離宮二条城において3月30日から4月2日まで開催されていたクラシックカーの祭典、コンコルソ・デレガンツァ京都のアワードが発表された。Best of Showは1951年のアルファロメオ『6C2500SSヴィラデステ』が受賞した。

◇30台以上のクラシックカーが二条城に集合

このイベントは世界遺産に登録され400年以上の歴史を持つ元離宮二条城を舞台に、クラシックカーの華麗さを競い合う祭典だ。今回のコンクールではコンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステ、ペブルブルービーチ・コンクール・デレガンスという2大コンクールの審査員や、日欧米のクラシックカー専門のジャーナリストによって構成された審査員によって、芸術的、歴史的価値の高さをもとに厳正に審査された。

審査対象となったのは1926年のフィアット『509デルフィーノ』から1977年のランボルギーニ『カウンタックLP400』までの27台。それ以外に特別展示として、今回のテーマとなったカロッツェリア・トゥーリングに因み、イタリアのムゼオ・ストーリコ・アルファロメオ(アルファロメオ歴史博物館)からアルファロメオ『C52ディスコヴォランテ』が来日。

また、新生カロッツェリア・トゥーリング・スーパーレッジェーラが8台限定で作成したアルファロメオ『8Cディスコヴォランテ』も3台展示された。8Cディスコヴォランテはその名の通り、C52ディスコヴォランテをオマージュとして作成されたものである。

◇ベストオブショウはアルファロメオ6C2500SSヴィラデステ

今回、合計12の賞が用意され、受賞車両は以下の通り決定した。

・Early Cars to 1951(1951年以前に作られた中で最も優れているクルマ)…1946年フィアット1100フルアスパイダー

・Late Cars from 1952(1952年以降に作られた中で最も優れているクルマ)…1977年ランボルギーニカウンタックLP400

・Touring Early Italian(1951年以前に作られたイタリアのメーカーでトゥーリングのボディを纏った最も優れているクルマ)…1939年アルファロメオ6C2500SSスポーツベルリネッタ

・Touring Classic Italian 1952~1961(1952年~1961年に作られたイタリアのメーカーでトゥーリングのボディを纏った最も優れているクルマ)…1955年アルファロメオ1900CSS

・Touring Italian class of 1962~(1962年以降にトゥーリングによって作られた中で最も優れているクルマ)…1962年マセラティ3500GT

・Touring Foreign(イタリア以外のメーカーでトゥーリングのボディを纏った最も優れているクルマ)…1959年アストンマーティンDB4 3.7

・Auto Italiana elegante (ACI)(イタリアのメーカーで最も優れているクルマ )…1962年マセラティ3500GT

・Touring Milestone(トゥーリングの歴史において画期的な道しるべとなるクルマ)…1949年フェラーリ166インテル

・Premio Sakura(春の二条城に最も似合うクルマ)…1939年フィアット1500トゥーリング

・Craftsman award(匠の技のエピソードが最も優れているクルマ)…1926年フィアット509デルフィーノ

・People's choice(一般投票で最も得票数が多かったクルマ)…1971年ランボルギーニ・ミウラSV

・Best of Show(最優秀賞)…1951年アルファロメオ6C2500SSヴィラデステ

◇クラシックカーと日本の伝統的なものづくりの共通点

表彰式に来場した京都市市長の門川大作氏は、「クラシックカーはボディやエンジンのほか多くのパーツがデザインや機能を踏まえ、別の会社で別の職人が協調しながら作られた時代の、まさに芸術品だと聞いている。その点と、京都に伝わる伝統のものづくり、例えば二条城も大工、瓦屋、木工などの様々な職人がそれぞれのパーツを担当し、そして見事に融合させていくことが、クラシックカーと世界遺産二条城、あるいは日本の伝統的なものづくりにおいて共通の哲学だ。なので調和するのだろう」とコメントし、コンコルソ・デレガンツァ京都に対して高い評価を与えた。

また、総合プロデュースを行った、アートアクアリウムアーティストの木村英智氏について、審査委員長のランボルギーニ博物館キュレーターのアントニオ・ギーニ氏は、出発前に奥様に、「私たちはとても素晴らしい国に、日本の素晴らしいアーティストに会いに行く。彼はビジネスマンであり 情熱を持っている人でもあり、まさにイタリアのルネッサンス時の芸術家を支えた貴族のような人だ」と述べる。

そして、「そういった彼が行うイベントに我々は何を持っていくことが出来るのかを考えた結果、彼女のアイディアで我々が誇るイタリアの建築家、ジオ・ポンティがデザインしたプレートをプレゼントすることにした。過去の歴史を現代に受け継がれた素晴らしい作品で、日本が誇る京都の素晴らしい伝統を表すコンクールに敬意を表したものでもある」とし、サプライズでプレゼントされた。

木村英智はそれに対し、「この日本にまだ根付いていないコンクールデレガンスという、自動車文化の祭典が、ヨーロッパ、アメリカに次ぐ第三国のアジアではこの日本にて開催していくことを目指して行なっている」と目標を語ったうえで、「イタリアが好きで、クルマが好きで、そして、日本も京都も好きで、それが全部合わせたものを何かやりたいと思い、このイベントが出来た。好きなものに囲まれて幸せではあるが、いろいろな人を巻き込んだり、お金がかかったりすることで辛いことがあったが、このサプライズとコメントで報われた気がした」と感動の涙を見せた。

コンコルソ・デレガンツァ京都2018はこれで閉幕となったが、4月3日より、参加車両の一部は京都を出発し三重県津市、静岡県伊東市、神奈川県箱根町、神奈川県大磯町を経由し、4月8日に東京日本橋にゴールするツアーに出発する予定だ。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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