激戦SUV市場に攻勢モデル投入、フォレスター 新型…スバル愛に応える開発陣の思い

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スバル フォレスター 新型(米国仕様)
スバル フォレスター 新型(米国仕様) 全 28 枚 拡大写真

今年秋から北米で販売が始まるスバル『フォレスター』。ニューヨークモーターショー2018で初めてその姿を目の当たりにしたモータージャーナリストらの声、アンベール直後の開発陣たちの思いを聞いてみた。

まず、なぜ北米から売り始めるのか。その理由は主に2つある。ひとつは、この第5世代フォレスターが、スバルの「世界でいちばん売れる車種」なるグローバル戦略車であること。

ふたつめは、北米を母艦として世界へ打っていくという構え。同社が北米で打ち出した「LOVEキャンペーン」(スバルオーナーと愛車の関係性を前面に押し出したマーケティング)に端を発するシェア拡大の波にのるべく、スバルでいちばん売れるフォレスターをいち早く北米で投入することで、スバル熱に“ガソリン注入”を狙う。

5代目のフォレスターはどこが新しいか。スバル公式発表によると、5代目のトピックスは「スバル初の乗員認識技術、ドライバーモニタリングシステム(米国名:Driver Focus)採用」「プラットフォームに SUBARU GLOBAL PLATFORM を採用。全長4500~4700mmのコンパクトSUVクラスでトップレベルの快適性と安全性能を実現」「2.5リットル水平対向4気筒エンジンを直噴化。動力性能と環境性能を両立」「シンメトリカルAWDと進化したX-MODEによる走行性能とSUVらしい走破性」とある。

スバル側が示すこのクルマのポイント詳細は、公式発表をみてもらうことにして、ニューヨークモーターショーでのアンベールを見届けた開発責任者とデザイン担当者の話を記そう。

安全性や快適性を全席へと広げる

開発責任者のスバル商品開発本部 布目智之プロジェクトゼネラルマネージャー(PGM)は、「これまで北米で培ってきた信頼をそのままに、今回の5代目モデルは、運転席だけでなく、全席に安全性や快適性を拡充させた」という。

「北米でのメインボリュームは50歳よりも上の世代。まずこの世代が安心して乗れて、しかもアグレッシブに操れるクルマであることをめざした。さらに、子どもたちをはじめとした家族全員が、スバルブランドの安全性、信頼性を感じながら、幅広く活動的に使ってもらえるクルマに仕立てていった」。

ニューヨークモーターショーを訪れた現地ジャーナリストやオーナーたちからは、「予防安全や衝撃吸収といった、事故の前後の対策が、車体価格7万ドル以下のクラスでも抜きん出ている」「アメリカ人にとって信頼は非常に重要。スバルが、第三者機関による最高評価を得ていることも、大きな信頼につながっている」といった声もあった。

ユーザー受けも生産性もアップ

一方で、別のスバル担当者は「家族全員がスバル好き、スバルを信じてくれる…そんなモデルを担うのがフォレスターだ」とも。

ニューヨークモーターショーの会場周辺でクルマを観察していると、日本以上にスマホに依存しているとみえるシーンに出会う。Uberを呼ぶと、大抵のドライバーはスマホを3台ほど持ち、マップはもちろん、オーダー状況やSNSなどの画面を停車中にパラパラとチェックしては、ふたたび青信号で発信していく。

また、USBにつないだスマホを片手に、大声で歌いながら走り去る仲良しグループもよく見かける。こんな利用シーンも想定したフォレスターは、後席用に最大2.1A出力の充電USBポートを導入。Apple CarPlay や Android Auto なども利用でき、コネクティビティも強化した。

さらに、この5代目がつくられる SUBARU GLOBAL PLATFORM で生産性も向上。「従来のプラットフォームから、今回のプラットフォームに更新したことで、生産性は約2倍に拡大した」(布目PGM)という。

中は広く、ボディはコンパクトに

今回の5代目の進化で注目すべきは、客室空間を拡大しつつ、ボディのコンパクト性を追求した点。デザインは、スバルのデザインフィロソフィー DYNAMIC x SOLID にもとづき、モダンキュービックフォルムをめざした。

「容積をしっかり保ちながら、SUVらしさを表現。躍動感やソリッド感を与えながらも、削ぎ落としていくというイメージ」と語るのはデザインを担当した大関透 主査(スバル商品企画本部デザイン部)。

「キャラクターラインに躍動感を与えるとなると、どうしても、その線を後ろに向けて上向きに傾けたくなってしまう。その傾斜がきつくなればなるほど、後席の窓は小さくなり、視認性を損なってしまう。そこで、キャラクターラインの下に、ホイールアーチの流れと連続する起伏のあるラインをつけることで、躍動感を与え、なおかつすべての窓を大きく取ることをめざした」。

他のSUVとは一線を画する視認性・個性

また大関主査は、「SUV人気のアメリカで、フォレスターを選んでもらうための印象づけも突き詰めた」という。

「デザインを優先すると、どうしてもとがったスタイルにまとまり、窓まわりが小さくなり視認性が犠牲になる。フォレスターはあえて、客室の“箱空間”をしっかりつけて、遠くから見ても、フォレスターだとわかるデザインへとむけた」。

北米を拠点とするモータージャーナリストのひとりは、「たとえば日産『ローグ』(日本名:エクストレイル)などは、前方のフェンダーの位置がつかみづらい。先代モデルもこの新型も、アイポイントが高いうえに、フェンダーの盛り上がりが先端まではっきりわかる点が、運転しやすい。Aピラーも視界にあわせたつくりで、なおかつ後方の窓も大きくとってあるので、後方視界も違う。このあたりもフォレスターを選ぶポイントになっているかも」と話していた。

ここで、記者から「外を小さくして、中を広げると、当然ボディが薄くなると思うが、剛性は?」という質問が出ると、布目PGMは「ボディ骨格の強度は落としていない。むしろ剛性は向上している」とも教えてくれた。

スバルのグローバル最量販車種として、北米を皮切りに各国へと発車していくフォレスター。LOVEキャンペーンから続く、信頼性を後ろ盾としたシェア拡大の波にのり、世界各地で駆け出すクルマの“出発前夜”を垣間見た。

《レスポンス編集部》

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