JR九州が日田彦山線復旧会議の内容を公表…関係自治体との協議が始まる

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4月4日に行なわれた「日田彦山線復旧会議」の様子。
4月4日に行なわれた「日田彦山線復旧会議」の様子。 全 2 枚 拡大写真

JR九州は4月13日、昨年7月に発生した九州北部豪雨の影響で、一部区間が長期不通となっている日田彦山線の復旧に向け、4月4日に開催された関係者会議の内容を明らかにした。

日田彦山線は、城野駅(北九州市小倉北区)と夜明駅(大分県日田市)を結ぶ営業距離68.7kmの路線で、城野駅は日豊本線、夜明駅は久大本線と接続している。

このうち、長期不通となっているのが添田駅(福岡県添田町)と夜明駅を結ぶ29.2kmの区間で、現在、マイクロバスや中型バス、ジャンボタクシーによる代替輸送が行なわれている。

同区間では、橋梁やトンネルなど63か所で被害が確認されており、昨年10月、JR九州の青柳俊彦社長は「ゼロから鉄道を造るようなもの」「JR九州単独での復旧は難しい」という見方を示し、他の公共交通機関に代替する案も含めて、関係各機関との協議を進めたいとしていた。

これを受けて4月4日には福岡市内のホテルで、青柳社長と沿線の関係自治体(福岡県・大分県・東峰村・添田町・日田市)各首長、国土交通省九州運輸局長(アドバイザー)が出席した「日田彦山線復旧会議」が初めて開催された。

会議では、JR九州の発足時と比べて、2016年の日田彦山線添田~夜明間の平均通過人員が5分の1程度にまで減少していることなどの現状が説明されたうえで、「鉄道で復旧するための方策に関する検討をすること」「復旧後の日田彦山線の継続的な運行の確保について検討すること」という2点の課題を確認。今後は沿線市町村の復興計画を踏まえ、できるだけ早く議論をまとめていくこととされた。

会議に出席した福岡県の小川洋知事は「地元自治体の負担を前提とすることなく議論をスタートすることが必要であり、JR九州が試算した復旧費を関係者で精査し、福岡県、大分県の災害復旧に係る事業と調整をして、一日も早く工事の着工ができるように努力していきたい」と述べ、地元負担ありきの姿勢を牽制した。

この会議では、福岡・大分の両県合わせて140億円程度の規模となる、本迫川や宝珠山川、大肥川の砂防事業や河川改修事業の概要も示されており、洪水被害が大きかった第2・3彦山川橋梁など5か所の橋梁については、コンクリート橋に架け替える案も示されている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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