【アウディ Q5 試乗】高級感ある乗り心地とスポーティさの巧みなバランス…丸山誠

試乗記 輸入車
アウディ Q5 ファーストエディション
アウディ Q5 ファーストエディション 全 11 枚 拡大写真

アウディのSUVラインナップではミドルクラスに位置するのが、この『Q5』だ。MLB evoのモジュラープラットフォーム採用した2世代目は、ボディサイズをさらに拡大した。

全長をレクサス『NX』と比べると、少しだけ長く、全幅は1900mmとかなりワイドになっている。そのためミドルクラスというものの国産プレミアムと比べると、1クラス上のモデルと思えるほど迫力がある。ただし、エクステリアデザイン自体は先代を踏襲しているためか、変化は小さいように見える。新型の識別点は『Q7』と同様の6角形のフレームグリルを採用している点だ。

サイズアップしたが、新プラットフォームの採用によって車両重量を従来型から60kg削減するのに成功。これはアウディに限ったことではないが、最近のモジュラープラットフォームはどれもハイテン材などを積極的に採用して、ボディ剛性を高めながら軽量化も実現している。重量が重くなりがちなSUVには、特に軽量化の効果が高くなっている。

搭載エンジンは2リットル直4ターボの2.0TFSIで、組み合わされるトランスミッションは、デュアルクラッチの7速Sトロニック。このSトロニックがQ5のスポーティさを演出しているポイント。加速時にギヤの切り替えによる息継ぎがないため、加速Gがほとんど途切れず一直線に上昇。パドルシフトを使えば、歯切れのいい加速と減速も楽しめる。エンジンの出力特性は低回転域から高トルクを発生し、Sトロニックのギヤ比の設定が適切なこともあってダイナミックな加速を味わえる。

軽量化されたボディだが、剛性感は先代を上まわっている。サスペンションの設定もよく、荒れた路面でタイヤから大きな入力があってもボディが突き上げられる感じはなく、フラット感が高い。前後5リンクのサスペンションは、リンク類がすべてアルミ製でスタビライザーは中空タイプを採用。バネ下重量を軽減したこともサスペンションのスムーズな動きにつながっている。

コーナリングでステアリングを切ると適度なレスポンスでスムーズにノーズが動き、ロールが少なく抑えられたままコーナーを駆け抜けられる。操作に対するクルマの挙動が素直でスムーズなのが好印象だ。

こうしたステアリングフィールは、高いボディ剛性によるものでもある。エンジンルームを開けると、その一端が確認できる。サスペンションタワーを連結するクロスメンバーが入り、それとは別にバルクヘッドにつながる一組のバーまで使っている。すっきりとした操舵感は、剛性感を高めた結果で得られたものだ。

今回の試乗車は、ファーストエディションのため装備していなかったが、通常モデルのACCには低速の渋滞時にも操舵制御するトラフィックジャムアシストが付けられている。65km/h以下でも先行車に追従するのはもちろん、操舵もしてくれるためアクティビティで疲れた後の渋滞時でもリラックスしてドライブできる。

プレミアムモデルらしい高級感のある乗り心地とスポーティさを、巧みにバランスさせたのがQ5だ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★

丸山 誠|モータージャーナリスト/AJAJ会員
自動車専門誌やウェブで新車試乗記事、新車解説記事などを執筆。キャンピングカーやキャンピングトレーラーなどにも詳しい。プリウスでキャンピングトレーラーをトーイングしている。

《丸山 誠》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. スイスポ最終モデルの完全進化形! BLITZが手掛けた“走りと快適”の完熟セットアップPR
  2. これが最後のガソリンエンジンか!? BMW『X5 M』が歴代最強の700馬力オーバーに
  3. BMWの電動スクーター『CE 04』、3つの新デザインバリエーション発表
  4. 山陽道・福山SAにガシャポン専門店、中国地方初 7月18日オープン
  5. 「効き」の違いが分かる!プロが教えるLSDベストセッティング入門~カスタムHOW TO~
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  2. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  3. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  4. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
  5. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
ランキングをもっと見る