ホンダの倉石誠司副社長は4月27日に都内にある本社で開いた決算会見で、四輪車の主力市場である米国と中国で2018年度に過去最高の販売台数を目指す考えを明らかにした。
倉石副社長はまず米国について「2018年度の全体市場の見通しは、安定した経済状況や税制改正による個人消費の増加はあるが、買い替え需要が一巡するなど調整局目と認識しており、2017年度よりもさらにマイナスし、1700万台前後と予想している。また市場のトレンドはライトトラックの比率が引き続き伸びていくと考えている」と指摘。
そうした中でのホンダ車販売に関しては「好調な『シビック』シリーズに加えて、『アコード』のラインアップが1.5リッットル、2リットルに加えて3月からハイブリッドも加わり、完成した。今後、新機種『インサイト』の導入や、ライトトラック市場においては『CR-V』、『パイロット』に加えて、アキュラ『RDX』をフルモデルチェンジし、ライトトラック市場の強化も図っていき、過去最高を目指していきたい」と述べた。
ホンダのこれまでの米国での販売台数の過去最高は2016年度の164万6000台。2017年度は「乗用車市場の縮小影響や業界のインセンティブ増加による競争激化により販売台数は微減」の163万9000台だった。
一方、中国での2018年度の販売は「新型アコードや、新機種『インスパイア』の導入などで、2017年度を上回る実績を達成できるよう努めていきたい」と話し、前年度同様に記録更新を見込む姿勢を示した。
中国では現在、主力モデルのCR-Vが品質問題を巡るリコールが当局に受理されず販売中止を余儀なくされているが、倉石副社長は「もともと現地での生産能力に余剰がなく、かなり無理をして生産している。CR-Vの生産を止めてからは、好調なシビックやXR-Vに振り替えているので事業的な影響は大きくない」とし、またCR-Vの販売再開についても「それほど長くない範囲でできると思っている」と述べた。
ホンダがこの日発表した2018年3月期連結業績は売上高が前期比9.7%の15兆3611億円と過去最高となったが、営業利益は前期比0.9%の8335億円と横ばいにとどまった。しかし倉石副社長は「営業利益は前年度に比べ71億円の減益となったものの、為替影響、前年度の年金制度改定影響、集団訴訟和解金などを除くと売上変動および構成差に伴う利益増やコストダウン効果などにより941億円の実質増益となった」と総括した。
なお2019年3月期業績予想は売上高が前期比1.6%増の15兆6000億円、営業利益は同16%減の7000億円とした。二輪、四輪車販売ともに増やすが、為替が円高で推移する想定しているため利益が大きく減る格好だ。