BMW出身の創業者による注目の新興EV「BYTON」…北京モーターショー2018

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会場に展示されていたエメラルドグリーンの一台(北京モーターショー2018)。
会場に展示されていたエメラルドグリーンの一台(北京モーターショー2018)。 全 7 枚 拡大写真

今回の北京モーターショーでは、既存の大手自動車メーカーとは出自を異にする新興メーカーがいくつも出展し、ひとつの潮流となっていた。なかでもBYTONは、2018年1月のアメリカCESでのグローバルデビュー以来、そのデザイン性の高さと、BMW出身のドイツ人ファウンダーが中国で起ち上げたという成り立ちから、注目を集めるブランドだ。

これまで謎めいたブランドというイメージであったが、量産への具体的なファクトも明らかになってきた。

まず、中国最初の自動車メーカーである「第一汽車」の出資を受け入れたことが挙げられる。R&D、製造、販売、サービスにわたる広範囲な協力を得ることになる。また、ボイスコマンドと顔認証技術の提供を「バイドゥ」から受けることも明かされた。

そのほかにも、ECや家電量販店を展開している「Suning」と、ECやカーシェアで提携する。中国ではよく知られたブランドであり、日本ではラオックスの親会社として知られる。そしてリチウムイオンバッテリーに関して、寧徳時代(CATL)との提携も発表された。

そしてより量産を具体的にイメージさせるのは、南京工場建設の進捗が公表されたことだ。今年10月に完成予定で、年間30万台の生産能力があるという。

スペックは、バッテリーの違いで2種類あり、標準モデルは航続距離400kmで、出力272ps。上級モデルは航続距離520km、476ps。自動運転はレベル3の状態で発売するが、ハードウェアとしてはレベル4レディ。のちにアップデートがあるものと思われる。自動運転については、VWやヒュンダイとも提携するGoogle出身の米「Aurora」との提携が発表済みだ。

発売時期は2019年中。価格は45,000米ドル(約500万円)から。展示されている車両のダッシュボードの全面液晶や、公表されたスペックには、日本人から見るとリアリティがないと感じるが、すでに発売されている中国国内の他社のEVの内容からすると、あながち”盛りすぎ”とは言えない。

《佐藤耕一》

日本自動車ジャーナリスト協会会員 佐藤耕一

自動車メディアの副編集長として活動したのち、IT企業にて自動車メーカー・サプライヤー向けのビジネス開発を経験し、のち独立。EV・電動車やCASE領域を中心に活動中。日本自動車ジャーナリスト協会会員

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