【ヤマハ XMAX 試乗】ビッグスクーターブーム再び!? 最新トレンドのキモは「走りのスポーティさ」…青木タカオ

モーターサイクル 新型車
ヤマハ XMAX
ヤマハ XMAX 全 29 枚 拡大写真

いま、ヨーロッパで人気なのが、この『XMAX』だ。ヤマハは『TMAX』で欧州にて大成功を収めてきたが、そのダウンサイジング版も好調。最新型は2017年に300ccエンジンを積んでデビューした。

これまでもヨーロッパでは『XMAX250』が販売されていたが、新型で環境性能の高い「BLUE CORE(ブルーコア)」エンジン搭載となり、ヤマハはその250cc版を今年1月に国内ラインナップにも投入。待望だったヤマハの新型250ccスクーターである。

ホンダも今夏に新型『FORZA』をリリースするし、しばらく活気のなかった250ccスクーターに再び脚光が当たるキッカケをつくっている。かつて『マジェスティ』でビッグスクーターブームを牽引したヤマハが、再び同じカテゴリーへの起爆剤としてリリースしたのだ。

さて、実車を見てみよう。グッドデザイン賞にも選ばれた『TMAX530』から受け継ぐ、上質感とスポーティさのあるフォルムで、これまでの250ccスクーターとは明らかに違うスタイリッシュさに、まず目を奪われる。

フロントカウルがシャキッと起きた凝縮感のあるスタイルで、そこにはもうかつてのロー&ロングを強調するビッグスクーターの名残は見当たらない。眼光鋭い2眼LEDヘッドライトやLEDポジションランプ、吊り目のテールランプなどすべてが精悍な印象。これを見てしまうと、ブームだった頃の250スクーターがとても古く感じてしまう。

走りも飛躍的に進化している。カッチリとコシのある前後サスペンションとフロント15インチ、リア14インチという大径ホイールで、スポーツバイクのような軽快なハンドリングを生み出している。

ハイスピードのまま大きな段差を乗り上げても、ハードブレーキングをかけても、剛性の高い車体とともにサスペンションが踏ん張って何事もなかったかのように安定したまま。そして安心感をさらに強めるのは「トラクション・コントロール・システム」の搭載で、スリッピーな路面でも臆せずアクセルをガンガン開けていける。これは石畳の路面が多い欧州生まれならではのセーフティ装備と言える。

ライダーの体格に合わせ、ハンドルポジションを約20mm後方へ移動させることもできるほか、ウインドシールドも上方へ約50mm上げることが可能。身長175cmの筆者はスタンダードのままでジャストフィットしたが、小柄な人はハンドルを寄せてライディングポジションをよりコンパクトにすればいい。

シート下トランクの容量は約45リットルと広く、ヘルメット2個が入る大きさ。ダンパー付きだから開閉も滑らか。LED照明も備わって夜間も使いやすい。さらにグローブボックスがフロント左右に2つあり、左側はスマートフォンなどを充電できるよう12V DCジャックを備え、ロックができる。

スマートキーを採用し利便性を上げたほか、マルチファンクションディスプレイを採用したメーターパネルも先進的で見やすい。車体の質感は高いし、乗り心地もいい。ヨーロッパでの好調なセールスもナットクで、もしやビッグスクーターブーム再来か…!? そんな予感もしてならない完成度の高さだ。

■5つ星評価
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
コンフォート:★★★★
足着き:★★★
オススメ度:★★★★

青木タカオ|モーターサイクルジャーナリスト
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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