チャイニーズ・ドリームを体現する吉利汽車がフラッグシップセダンを発表…北京モーターショー2018

自動車 ニューモデル モーターショー
フラッグシップセダン『博瑞GE』
フラッグシップセダン『博瑞GE』 全 5 枚 拡大写真

中国の成長の勢いをそのまま体現している自動車メーカーが「吉利汽車集団」(ジーリー、Geely)だ。主な外資との合弁を持たず、地方政府の庇護をうけない独立系の自動車メーカーとしてはもっとも成功したメーカーであり、ブランド別販売ランキングでも5位に入る実績を持つ。

2010年にはフォードが手放したボルボを引き受けたことで世界的に知られるようになった。さらに今年に入ってからは、ダイムラーの筆頭株主にもなっている。つまり、国内外でその急成長ぶりが注目されている企業なのだ。

2018年の北京モーターショーでは、5月に発売予定とされる同社のフラッグシップセダン『博瑞GE』が発表された。PHEV版と、48Vマイルドハイブリッド版の2種類が用意されている。プレスカンファレンスでは、吉利汽車集団CEOの安聰慧氏が登壇し、EVやPHEVなどの新エネ車によって中国が世界の自動車産業をリードするとアピールした。

「中国は、世界最大の新エネ車市場として、新エネ車革命の中心となり、自動車の再定義をする。それこそが中国の自動車産業を強くする唯一の道だ。吉利は2年も前から新エネ車の開発を始め、研究開発に投資してきた。そして、ボルボとの技術的コラボレーションを強化してきた。2500人以上のエンジニアをHV、EV、FCVの開発にグローバルで投入してきた。そして、プラットフォームの標準化とモジュール化を推し進めた。いまや我々は、知的財産とともに新エネ車の技術で世界をリードしているのだ」

吉利ブース
そして安聰慧氏はフラッグシップセダン博瑞GEの初公開をアナウンスし、世界の自動車の基準になると胸を張った。

「博瑞GEを本日初公開する。吉利の最初のハイブリッドフラッグシップモデルとなる。1.5リットル直噴ターボと7速デュアルクラッチとPHEVを組み合わせた、吉利とボルボの共同開発モデルだ。燃費は100kmあたり1.6リットル。また同時に、中国で最初の量産48V BSG(バッテリースタータージェネレーター)搭載マイルドハイブリッドセダンも発表する。従来モデルに比べて燃費が15%向上した。博瑞GEは単に吉利のデザイン、技術レベルを示すだけではなく、中国ならびに世界の自動車ブランドの基準を示すものだ」

そして、博瑞GEに続く新エネ車のリリース計画を紹介した。

「博瑞GEは、吉利が新エネ車時代に突入した序曲となる。今年我々は新エネ車を続々リリースし、近い将来吉利のすべてのプラットフォームとプロダクトは完全に電化対応される。新エネ車の技術革命は、我々がグローバルリーダーとなるチャンスだ。我々は富裕層向けではなく、実用的な新エネ技術のリーダーとしてこのチャンスに挑む。吉利は様々なマーケットセグメントにおいてベンチマークとなるプロダクトを投入し、消費者の多様で個性的なニーズを満足させる」
5月16日開催【北京モーターショー報告と中国のEV、自動運転セミナー】

《佐藤耕一》

日本自動車ジャーナリスト協会会員 佐藤耕一

自動車メディアの副編集長として活動したのち、IT企業にて自動車メーカー・サプライヤー向けのビジネス開発を経験し、のち独立。EV・電動車やCASE領域を中心に活動中。日本自動車ジャーナリスト協会会員

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