マツダ CX-3 が4度目の大幅改良…デビューから3年3か月、異例のスピードその理由

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マツダ CX-3 改良新型
マツダ CX-3 改良新型 全 24 枚 拡大写真

マツダは5月17日、『CX-3』の大幅商品改良モデルを発表した。デビュー後3年3か月で4回目の改良である。新開発のディーゼルエンジン搭載のほか、操縦安定性、デザイン、安全性能など、全面に手が加えら「走る歓び」を“深化”させた。

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◆初心に帰って4度目の商品改良

「マツダは、クルマという商品を通じてお客様に豊かで活力に溢れた人生を過ごしてもらい、お客様と強い絆で結ばれたブランドになりたいと考えている。そのために、人間の特性や感覚を徹底的に研究した人間中心のクルマ作りを追求し、その時点での最新・最高の技術を全ての商品に惜しみなく取り入れていく」と同社の開発哲学について語るのは、マツダ商品本部CX-3主査の冨山道雄氏だ。

「次世代のスタンダードを想像するという商品コンセプトを掲げて導入以来、最新・最高の技術を取り入れるという会社の方針を愚直に従ったために、3年3か月で今回国内市場では4回目の商品改良となった」と今回のCX-3の改良について述べる。

そして常に目指しているのは、「世の中のスタンダードとなるクルマになるためにはどういう進化を図ればいいかということ絶えず考えてきた」と冨山氏。
マツダ商品本部CX-3主査の冨山道雄氏
4度目の改良となる今回のテーマは、「気品ある美しさと先鋭」だ。「自ら設定したスタンダードになりたいという価値を改めて問い直し、気品ある美しさと先鋭さを極め、スタンダードとしての進化を目指した」と説明する。

CX-3は、「既成概念やジャンルにとらわれず、個性的なもの選び、こだわりを持ったお客様に多く支持されてきた」と冨山氏。そういうお客様に、「さらにもっと眺めていたい、もっと乗っていたいと感じてもらい、CX-3でなければならないねといわれるような存在になりたいという思いを込めて今回の商品改良を行った」と語る。

◆タイヤそのものから見直したダイナミクス性能

今回の大幅改良では、マツダの開発理念でもある、現在マツダの中で開発されている次世代の様々な技術構想が可能な限り取り入れられた。

その内容は、ダイナミクス性能、エンジンの進化、デザインの進化、安全性能の進化の4つだ。

まずダイナミクス性能は、操安性・乗り心地・静粛性の進化として、人間中心、全体最適という視点でダイナミクス性能を見直し、特に乗り心地と静粛性について大幅に改良した。

そこで、人間中心の考え方をクルマに取り込んだ次世代車両構造技術「SKYACTIVビークルアーキテクチャー」を可能な限り取り入れた。これにより、「操安性と乗り心地の相反する領域の性能を高いレベルで両立させることに成功した」という。

過去の改良では、「サスペンションを一生懸命改良してきたがそこだけでは限界があり、理想に対してまだギャップがあった。そこで今回はタイヤ性能とシート、それらを含めた車両トータルで目指すべき方向に対しての作り込みを行った」と説明。

そのために「全面改良といえるぐらい開発サイドにお願いして性能を進化させた」と冨山氏は述べる。まずタイヤを、縦バネを落として柔らかく作り直した。その一方、ダンパーは径を大きくして応答性が上げられ、コイルスプリングはバネレートを下げ、スタビライザーは小径化するなど機能バランスが変更された。これによって、「操安性を維持しながら乗り心地を向上させた」(冨山氏)。

また、シートも最新のシートクッションを採用。これは『CX-8』で使っているものと同じ高減衰シートクッションを使っており、これにより、「足回りで振動を吸収するとともに、車体から人に伝わる振動をシートできっちり押さえ、高い乗り心地性能を実現している」とした。

さらに静粛性も大きく向上させた。マツダの新しい静粛性の考え方について冨山氏は、「音圧だけでなく時間変化で伝わってくる反響音も含めてコントロールすることで静粛性を向上させている」と説明。「特にロングドライブを快適に過ごしてもらいたい、室内で会話が出来るという、コンパクトカーでありながらそういう静粛性を兼ね備えた。そのためにドアパネルの板厚を上げるなど徹底的な踏み込んだ改良を行っている」と注力したポイントを強くアピールした。

◆ディーゼルとともにガソリンも進化
マツダ CX-3 改良新型の新ディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 1.8」
パワートレインの進化では、昨年投入したガソリンエンジンを早速改良し、同時にディーゼルエンジンの排気量を上げている。「走る喜びと優れた環境安全性能を両立させるという理想を掲げて取り組んだ」と改良の目的を語る。特に、実用走行域に注目して性能を改善。様々なテストモードでの性能を作り込むのではなく、実際の使用環境、走行パターンの中で走りの良さと燃費の良さを実感できるようなクルマを目指したという。

ガソリンエンジンは昨年夏に導入されたばかりだが、今回はエンジン制御を見直すとともに抵抗低減、サーマルマネージメントを行うことで、「トルク向上、燃費改善し一段進化させた」。

そしてディーゼルエンジンは300ccアップし1.8リットルとなった。これは、ライトサイジング思想、正しい適正な排気量という考え方に基づき、「走りと燃費、エミッション性能をバランスさせた」。またターボの容量をアップすることで、アクセル操作に対しての追従性を改善するとともに、高回転でのトルクを向上させることで、「高速時の加速性能を改善。また、高応答のインジェクターを設けたので、燃費も良くなった」と話す。

排気量をアップさせたもののエンジン重量は変わっておらず、「操安性に影響はない。応答性の良さと車速コントロール性の良さに注目して改良している」とポイントを説明した。

なお、この「SKYACTIV-D 1.8」はWLTCモード燃費の認可を「SKYACTIV-G 2.0」に続いて取得している。

◆初めてのデザイン変更も

CX-3は今回初めてデザインに手が入れられた。「非常に良いプロポーションのクルマなので変えるところがないといって来たが、今回は気品のある美しさと先鋭さを極めるということで、とことん突っ込んで、非常に力を入れて改良した」と冨山氏。

特にデザインについては「静的質感を向上させた」という。「エクステリアデザインはお客様のこだわりを満たすもの。CX-3は一目惚れで買われるお客様が多いので、そういうお客様の心の満足をより高め、見るたびに心を躍らせる存在であり続けるために、変更内容は少ないかもしれないが、ひとつひとつ吟味した商品改良を行った」とかなりのこだわりようだ。
マツダ CX-3 特別仕様車「エクスクルーシブ モッズ」
また、インテリアの質感を大幅に向上させたのも改良モデルの大きな特徴だ。インストルメントパネルやシート、ドアトリムなどの素材やカラーコーディネーションを見直したほか、電動パーキングブレーキを採用したことでセンターコンソールのレイアウトをゼロから変更。これによりたっぷりとしたアームレストに加え、収納を兼ねるマルチボックスも備えた。「デザイン性を上げるだけではなく、快適性と操作性という機能性も向上させることで進化させた」と話す。

さらにこれまでの特別仕様車、「ノーブルブラウン」の後継車となる、「エクスクルーシブモッズ」も用意された。「こだわりのあるお客様が、より都会的で先鋭的な世界観を求めることに着目。デザイナーがお金のことは考えずにフルスイングして作り上げた」と述べた。
マツダ CX-3 特別仕様車「エクスクルーシブ モッズ」
最後は安全性能の進化だ。「昼夜を問わずドライバーの認知をサポートする、マツダで初めて導入する技術がある」。それは夜間歩行者検知機能付アドバンストスマートシティブレーキサポートだ。前方の歩行者や先行車をカメラで検知し、ブレーキを自動制御して衝突回避をサポートするもの。そこに夜間歩行者検知均等が追加されたことで、「マツダの中で一番安全になったかもしれない。そういうところまで進化させた」と今回の大幅改良のポイントについて語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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