【光岡 ヒミコ 試乗】クラシカルなスタイリングだけにこだわって何が悪い…諸星陽一

試乗記 国産車
光岡 ヒミコ
光岡 ヒミコ 全 14 枚 拡大写真

カスタムモデルを得意とする光岡自動車が製造する、クラシックスポーツモデルをモチーフとする『ヒミコ』がフルモデルチェンジし2代目となった。

【画像全14枚】

初代ヒミコはマツダの先代『ロードスター』(NC型)をベースとしたモデルとして2008年に登場した。そのロードスターがモデルチェンジしたこともあり、ベース車をNDロードスターに変更したモデルとなった。初代ではリトラクタブルハードトップモデルと、ソフトトップモデルが用意されたが、新型はソフトトップモデルのみの設定となっている。

先代モデルはNCロードスターに対して700mmものホイールベース延長を施したモデルであったが、新型はホイールベース延長量は600mmに減少した。とはいえ、そのホイールベース延長はフロント側への延長。リムジンのような延長方法とは異なるので、かなり特殊な例と言える。

走らせてみると、元がロードスターであったという印象は皆無。まあ、クルマの性格を確定するホイールベースが変更、それも600mmというとんでもない量で延長されているので当たり前と言えばあたり前なのだが、ロードスターの機敏なフィーリングはなくなり、全体として動きがゆったりとしたものとなる。エンジンの出力はいじられていないのだが、そのフィールさえゆったりと感じるから不思議だ。

延長されたフロントまわりは少し剛性不足があり、直進状態でもブルブルとした震えを生じる。だが、そんなことはどうでもいい……のがこのクルマ。ガンガンにせめるのであれば、もっと違うタイプのクルマを選べばいい。ヒミコはクラシカルな雰囲気を楽しむためのクルマなのだ。

必要以上に長いフロントセクションは、駐車場の料金徴収機に寄せるだけでもかなり気を遣うし、ステアリングを切り始めたときに外に振り出されるようなフィーリングもナチュラルとは言いがたい。でもそんなことはいい。ほかの人が乗っていないクルマは圧倒的な注目度を得ることができるし、現代のクルマにはない有機的な造形のボディに映り込む風景はまさに絶景。

ファンなドライブを楽しむとか、荷物を積んでどこかへ出かけるとか、そういうことではないクルマの楽しさが潜んでいるクルマ、それが光岡のヒミコ。興味がない人にはまったく響かないが、欲しい人にはたまらないクルマだ。オススメ度の★の数はこの「欲しい人」に向けてのものとします。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★
オススメ度:★★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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