タイムアライメントの簡易的なタイプを使いこなす 後編[サウンドチューニング大辞典]

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ロックフォード・フォズゲートの『T3652-S』。付属する“パッシブクロスオーバーネットワーク”は“バイアンプ接続”にも対応する。
ロックフォード・フォズゲートの『T3652-S』。付属する“パッシブクロスオーバーネットワーク”は“バイアンプ接続”にも対応する。 全 1 枚 拡大写真

カーオーディオの音質の良し悪しに影響が大きい「サウンドチューニング」について、そのメカニズムから操作方法までをお伝えしている当コーナー。今週は、簡易的なタイプの“タイムアライメント”を詳細に運用するテクニック解説の、「後編」をお届けする。

先週はまず、簡易的な“タイムアライメント”を詳細にコントロールするためには、“バイアンプ接続”に対応した“パッシブクロスオーバーネットワーク”が必要であること、そしてこれが何であるかについて解説した。

さて、“タイムアライメント”を詳細に運用する、すなわち、ツィーターとミッドウーファーを個別にコントロールするためには、普通ならば、最初に音楽信号をツィーター用とミッドウーファー用とに帯域分割する必要がある。そうした上でその後段でそれぞれに対して“タイムアライメント”をかける。そしてその後も信号を別chで取り扱い、別経路(別ケーブル)でスピーカーまで伝送する。

対して簡易的なタイプでは、“タイムアライメント”の前段で信号を帯域分割することができない。

しかしながら、フロントchとリアchはそもそも別回路となっている。これを活用するのである。

やり方は以下のとおりだ。フロントスピーカーのスピーカー出力を、“バイアンプ接続”対応の“パッシブクロスオーバーネットワーク”のミッドウーファー用入力端子に接続し、リアスピーカー用のスピーカー出力を、ツィーター用入力端子に接続する。これだけでOKだ。

こうすれば、リアchをツィーター用chとして、フロントchをミッドウーファー用chとして使えるようになる。ツィーターとミッドウーファーに対して別々に“タイムアライメント”がかけられるようになるのである。

そして“タイムアライメント”をかけ信号をパワーアンプで増幅した後に、ツィーター用信号の“ローカット”と、ミッドウーファー用信号の“ハイカット”を、“バイアンプ接続”対応の“パッシブクロスオーバーネットワーク”の中で個別に行えばいいのである。

話は複雑だったのだが、仕組みは至ってシンプルだ。

もしも愛車のナビに簡易的なタイプの“タイムアライメント”が搭載されていたら、“バイアンプ接続”が可能な“パッシブクロスオーバーネットワーク”が付属されている市販スピーカーに交換してみよう。そうすることで、“タイムアライメント”をハイエンドシステム的に運用可能となる。ぜひともトライを。

今回はここまでとさせていただく。次回も“タイムアライメント”についての解説を続行する。お楽しみに。

【サウンドチューニング大辞典】第3章「タイムアライメント」その5 簡易的なタイプを使いこなす!「後編」

《太田祥三》

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