JR北海道グループでまた不正行為…札幌駅総合開発の取締役が交際費を私的に流用

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札幌駅総合開発が管理運営する札幌ステラプレイスやJRタワーが入る札幌駅。
札幌駅総合開発が管理運営する札幌ステラプレイスやJRタワーが入る札幌駅。 全 1 枚 拡大写真

JR北海道とグループ会社の札幌駅総合開発は5月29日、札幌駅総合開発の元取締役財務部長が交際費を私的に流用するなどの不正行為を行なっていたことを明らかにした。

5月1日に両者へ匿名の通報があったことを受けて調査した結果、不正が判明。被害額は調査中ということだが、およそ1500万円になる見通し。

問題の元取締役は、2010年4月から今年4月にかけて、社内関係者との業務上の懇談を偽装し、会社から支給された交際費で私的な飲食をしていたという。

元取締役は5月28日付けで解任され、札幌駅総合開発とJR北海道は、詳細な調査が終わり次第刑事告訴を行なうとしている。元取締役は着服金額の全額を弁済する意志を表明している。

不正の原因として、交際費支給の稟議を通す際、元取締役自身が決済していたため、稟議に対するチェックや他部門からの牽制が効かなかったことが挙げられており、札幌駅総合開発では交際費の社内決済ルールを見直した上で、社長直轄の内部監査専門部門を設置し再発防止に取り組むとしている。

またJR北海道では、グループ会社で不祥事が連続して発生していることから、7月から外部調査機関によるグループ全社の監査を実施。グループ会社における内部監査の方法を見直し「実行ある牽制・点検の仕組み」を構築するとしている。

この問題で、札幌駅総合開発の前社長である相談役が辞任したほか、同社社長と常務取締役2人、取締役業務支援本部長が1ヶ月間、10~20%の報酬減額。JR北海道では30%の報酬減額をすでに受けている会長、社長、副社長に対して、さらに1か月分10%の報酬減額を加えるという。

札幌駅総合開発とJR北海道は「皆様には多大なご心配とご迷惑をおかけしますことを、深くお詫び申し上げます」とコメントしている。

札幌駅総合開発は、札幌駅界隈の「アピア」「エスタ」「パセオ」「札幌ステラプレイス」「JRタワー」といった商業施設の管理運営などを行なっている企業。

2017年3月期決算の売上高は210億円で、JR北海道の経営に大きな影響を与えている屈指のグループ会社でもあるが、筆頭株主であるJR北海道は、2016年に保有株式の一部をJR北海道グループ以外の第三者へ売却している。

JR北海道のグループ会社の不正としては、昨年11月、北海道ジェイ・アール・システム開発の従業員による水増し発注があったことが明らかにされている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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