マツダ CX-5 改良新型…カーライフを通してお客様に笑顔を届けたい[インタビュー]

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マツダCX-5
マツダCX-5 全 16 枚 拡大写真

商品改良が行われたマツダ『CX-5』のポイントは、“走る歓び”の進化、安全性の向上、ユーザーの要望にきめ細かく応えることの3つであるという。

◇基幹車種の改良は3つのポイント

2代目CX-5のコンセプトは、“洗練さと力強さを兼ね備えた、研ぎ澄まされた美しさ”。そして“人間中心を突き詰め、全乗員の居心地の良さを追求したパッケージング”。“すべての乗員が感じる、深化した走る歓び”。“世界基準の安全性能”。これらの機能を高い次元で両立させたモデルとして昨年2月に発売された。「日本、北米、欧州、オーストラリア、ASEAN、中国など120の国々で25万台以上販売し、日本国内においても4万台を超えている」とはマツダ商品本部主査の松岡英樹氏の弁。

グローバルの販売において1/4を占める基幹車種のひとつであるCX-5を今回、「『CX-8』から搭載された最新のエンジンをお客様にお待たせすることなく、アップグレード化。そのため今回の商品改良では、走る歓びの進化としてスカイアクティブG、SKYACTIV-D、両方のエンジンの進化版を投入した」という。また、360°VIEWのモニターの導入することで安全性がさらに向上。そして、「お客様の要望にきめ細かく応える商品改良という3点を施した」と説明する。

◇日常使用シーンでの走りの良さと実用燃費の両立を図り、環境負荷低減も目指す

走る歓びの進化は、「一定速度での巡航でドライバビリティを損ねることなく走りを楽しめること。それから荷物をたくさん積んでも一体感のある走りを楽しめることをお客様への提供価値として考えた」と松岡氏。そのために、「マツダの走る歓びの進化として、2012年のSKYACTIV-GとDを発売以降初めて、燃焼領域まで手を加えた最新のエンジンを導入した」と話す。

SKYACTIV-Gでの進化は、今回のCX-5の商品改良から国内市場に導入していくもので、2.5リットルエンジンにマツダ国内初の気筒休止技術を導入し、さらに実用燃費向上を実現。SKYACTIV DについてはCX-8で導入したエンジンの改良型をCX-5に搭載した。

今回大幅に進化したエンジンを導入した理由に、マツダの環境負荷への提言に対する考え方がある。マツダに限らずどのメーカーも様々な方法で環境負荷低減を目指しているが、そこに至るルートは様々だ。マツダはその中から、「日常使用シーンでの走りの良さと実用燃費の両立を図りながら、環境負荷低減を目指すルートを選択。今回の商品改良でこの目的を実現するために大幅に進化したエンジンを投入した」と説明。

また、「マツダらしい意のままの気持ちの良い走りにもさらに磨きをかけているので、長時間の移動が楽しくできる、爽快なドライビングを体感してもらえる」と松岡氏はいう。

◇ドライバーの疲労低減が安全性向上につながる

ふたつめが安全性向上だ。「たくさん遊んで疲れた時、夜中まで働いた帰り道などではドライバーの認知判断が低下することもあるだろう。そんなドライバーをサポートして、ストレスなく運転を楽しむことで家に着く頃にはむしろ元気になっているような、そんなイメージで安全技術をより充実させた」と開発趣旨を語る。

「また大きいクルマで駐車場に入ったり、狭い道を通るのは少し怖いと身構えてしまうような方のために、今回CX-5には最新の360°ビューモニターを搭載」。この360°ビューモニターは、マツダの安全思想、プロアクティブセーフティにおいて、事故低減を目的として良好な運転環境を提供するための技術という位置づけだ。駐車時の前後方はもちろん、上から見たようなイメージ、幅寄せ時の側方など全方位モニターで確認して安心安全な運転をサポートする。

2012年以降に発売したマツダの新世代商品では、「ドライバー、つまり人間を理解し、信頼し尊重するマツダプロアクティブセーフティという安全思想のもと、マツダはドライバー自らが正しい認知・判断・操作出来ることがお客様の安心・安全を支えるための基本要件と考えている」と述べ、その考えに基づいて、「クルマ全体を根本から見直した商品開発を一貫して行なっている」という。この安全思想により、「日常の様々な環境で全方向にわたる危険の認知を、人間中心の発想でサポートする先進安全技術、アイアクティブセンスに基づいてCX-5では360°センシングに基づく各種の安全技術を装備した」と話す。

◇クルマと人との関係を一層深めた

最後のポイントはお客様の要望にきめ細かく応えるというものだ。「日常的にお客様が使用するシーンでの使い勝手の向上にこだわった」という。そこでユーザーからの要望が高かったパワーリフトゲートをガソリングレードにオプション設定。「これからも幅広くお客様のニーズに応えていく」という。

これらの技術により、「日常的にお客様が使用されるシーンにおいて走る歓びと優れた環境、安全性能を実感してもらえるようになった」とコメント。

そして松岡氏は、「我々は新しいチャレンジとしてサスティナブルZoom Zoom宣言2030を昨年8月8日に発表した。これは、マツダが美しい地球と心豊かな人、社会の実現を使命と捉えてクルマの持つ価値によって人の心を元気にするということを追求し続けていくことを宣言したものだ。これら人、地球、社会それぞれの領域において価値を向上させたものが今回のCX-5の商品改良だ」とし、「クルマ作りの本質と真摯に向き合って、愚直に挑戦し続けるという姿勢こそがマツダの個性であり、そこに自らの道があると信じている。クルマとの関係を一層深めたこのCX-5が、特定の瞬間だけではなく、日常のカーライフを通じてお客様に笑顔をお届けし、ますます気持ちよく人生をより豊かに感じてもらいたい」とその思いを語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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