誤差、数cmで稲刈り---クボタ、GPS搭載の自動運転コンバイン発売へ 

自動車 テクノロジー ITS
自動運転アシストによる刈取り作業
自動運転アシストによる刈取り作業 全 5 枚 拡大写真

クボタは、GPS搭載農機「ファームパイロット」シリーズ第4弾として、国内メーカー初となる自動運転農機「アグリロボコンバイン」を12月1日より発売すると発表した。

日本農業は高齢化に伴う農家戸数の減少により、営農規模の拡大が進んでいる。そのような状況下、担い手農家は作業効率の向上や省力化など様々な課題を解決するため、精密農業への取り組みが急務となっている。クボタはこれまで、担い手農家が抱える課題解決に向けて、GPS搭載農機ファームパイロットシリーズ3機種を市場投入してきた。今回は、業界で初めて収穫作業に使用するコンバインに自動運転アシスト機能を付加。オペレータが搭乗した状態での自動運転による稲・麦の収穫作業を可能にした「アグリロボコンバイン」を発売する。

アグリロボコンバインは、自社開発のGPSユニット(移動局)をキャビンルーフに搭載。地上に設置した別売りのGPSユニット(基地局)から補正情報を受信して、誤差数センチの高精度な自動運転による刈取り作業を実現する。手動で6m以上周囲刈りを行った後、未刈り部分の幅や形状にあわせて刈取部の昇降や方向修正、刈取り・脱穀クラッチの入/切、次行程への旋回を自動で実施。長時間作業における疲労軽減を図るとともに、経験や勘に頼らない最適な収穫作業を実現する。また自動運転アシストによる刈取り中でも、車速の増減や刈取部の昇降などはオペレータによる手動操作が優先され、倒伏など作物の状態に合わせて任意に調整できる。

グレンタンク(収穫物の貯留部)下には、収量センサを設置。タンクが満タンになることを予測し、最適なタイミングで事前に登録しておいた排出ポイント(運搬用トラック)付近まで自動で移動する。収穫物の排出操作は手動で行い、排出後に運転アシスト開始スイッチを押すと、刈取り再開ポイントまで自走して自動運転アシストによる刈取りを再開。タンクの貯留量とコンバインの位置情報を元に作業ルートを自動計算し、無駄のない刈取り作業を可能とした。

キャビン内には、バックモニタ、ボイスアラームを搭載し、オペレータは常時後方の確認が可能。旋回や後進をする際は、機体の動きを事前に音声で通知する。またシートベルトとグリップ(左手)を装備し、機体が揺れてもオペレータは姿勢を保持。自動運転アシスト中にシートベルトを外したり、ドアを開けたりすると自動運転を停止し、無人運転になることを防止する。さらに万一、オペレータが危険を察知した場合は、主変速レバーや緊急停止スイッチで機体を安全に停止させることができる。

価格(税別)は1570万円から1680万円。

《纐纈敏也@DAYS》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. アルファロメオの新型SUV『ジュニア』日本発売に、「420万円はリーズナブル」「マジで美しい」など反響続々
  2. クーペSUVに進化! アルファロメオ『ステルヴィオ』次期型を完全プレビュー
  3. トヨタ車体、『アルファード』『ヴェルファイア』をトヨタ自動車に生産移管、いなべ工場は商用車専用に
  4. 「まさにアメリカンスポーツの最高到達点」1000馬力越えの『コルベット』にSNSも注目!コスパ最強ハイパーカー誕生か
  5. 「ゴツすぎる…だが、それでいい!」日産のハイパワーSUV『パトロールNISMO』発表に、日本導入にも期待の声
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  4. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  5. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
ランキングをもっと見る