石井国交相「輸送密度200人以上2000人未満」の路線維持を尊重…JR北海道の経営自立問題

鉄道 行政
輸送密度が200人以上2000人未満となる宗谷本線名寄~稚内間の列車。
輸送密度が200人以上2000人未満となる宗谷本線名寄~稚内間の列車。 全 1 枚 拡大写真

石井啓一国土交通大臣は、6月19日に開催された大臣会見で、JR北海道の経営自立への支援に関する見解を明らかにした。

JR北海道は6月17日に札幌市で開催された「JR北海道の事業範囲見直しに係る関係者会議」で、経営自立への方策として、国に北海道新幹線札幌開業が予定されている2030年度までの支援を要請している。

さらに、経営自立の課題となっている「当社単独では維持することが困難な線区」については、輸送密度が200人未満の線区は他の効率的な交通機関に転換、輸送密度が200人以上2000人未満の線区については、徹底した収支改善を図り、持続可能な交通体系の構築を行なうとしていた。

これらについて石井大臣は、JR北海道からの支援要請に対して「徹底した経営努力を前提として、国、地方自治体、関係者等が必要な支援、協力を行うことにより、JR北海道の経営自立を目指していきたい」と述べ、そのおおまかな方向性を今夏にもとりまとめることを明らかにしている。

また、輸送密度200人以上2000人未満の線区については、地域とJR北海道が一体となり収支改善に取り組むことが先決としながらも、北海道が3月に路線の維持に努めることなどを指針としてまとめていることから、石井大臣は「国土交通省としては、この指針を尊重してまいりたいと考えております」と述べた。

JR北海道の輸送密度200人以上2000人未満の線区は、宗谷本線(名寄~稚内間)、根室本線(滝川~富良野間・釧路~根室間)、室蘭本線(沼ノ端~岩見沢間)、釧網本線、日高本線(苫小牧~鵡川間)、石北本線、富良野線の8線区で、JR北海道の島田修社長は存廃を含めた検証が必要としていた。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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