今年度末にも青函トンネル内の携帯圏外が解消へ…JR北海道負担ゼロの「電波遮へい対策事業」

鉄道 行政
現在は青函トンネルの「吉岡定点」となっている、かつての海峡線吉岡海底駅。海底駅だった時代は公衆電話を利用することができた。2006年8月撮影。
現在は青函トンネルの「吉岡定点」となっている、かつての海峡線吉岡海底駅。海底駅だった時代は公衆電話を利用することができた。2006年8月撮影。 全 1 枚 拡大写真

総務省北海道総合通信局は6月28日、青函トンネルを対象に携帯電話の基地局を整備することを明らかにした。

青函トンネルは、JR北海道海峡線新中小国信号場~木古内間87.8kmのうち、およそ6割を占める54km余りの長さとなっている。現在、海峡線の定期旅客列車は北海道新幹線のみが運行されており、青函トンネル内をおよそ20分台前半で通過しているが、そのほとんどで携帯電話の通話ができない状態が続いている。

今回の整備は、国が鉄道トンネルや医療施設などの公共施設で圏外を解消するために行なっている「電波遮へい対策事業」によるもので、事業を申請する一般社団法人等が移動通信用施設を整備する場合に補助金を交付している。

これに伴なう負担割合は、2017年度まで一般社団法人等が2分の1、国が3分の1、鉄道事業者が6分の1と定められていた。

しかし、JR北海道の昨今の財政状況を考慮した結果、今年度から「直近10年間継続して営業損失が発生している鉄道事業者が営業主体となる新幹線路線における対策の場合は、国12分の5、一般社団法人等12分の7」とする負担割合が定められ、青函トンネルにおける事業の場合、JR北海道に負担を求めないことになった。

これにより、事業申請を行なった公益社団法人移動通信基盤整備協会に対し、6月11日付けで補助金交付が決定され、青函トンネルにおける圏外解消が前進。2019年3月下旬を目途に青函トンネル全域で携帯電話サービスが開始される運びとなった。

今回の整備に際し北海道総合通信局では「本事業により青函トンネル全域で携帯電話の利用が可能となり、北海道新幹線を利用する観光客や出張者等の利便性や安全対策が向上し、併せて、北海道や東北地方の経済等への好影響が期待されます」としている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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