【スーパーフォーミュラ】SF19シェイクダウン2日目…野尻智紀「ある程度クルマの特性を知ることができた」

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テスト2日目、「SF19」がスリックタイヤでの走行に臨んだ。
テスト2日目、「SF19」がスリックタイヤでの走行に臨んだ。 全 11 枚 拡大写真

全日本スーパーフォーミュラ選手権に来季導入される新型マシン「SF19」のシェイクダウンテストは5日、富士スピードウェイで2日目を迎え、前日に続き野尻智紀がホンダエンジン車で走行。この日はスリックタイヤでの走行も実現し、状況なりに順調なテストとなったようだ。

初日だった前日(4日)は午前と午後の計約4時間で53周を走行し、終日ウエット路面でのベストタイムは1分39秒台だった「SF19・ホンダ」。もちろん、様々な意味でタイムが何かを指し示すような状況ではなく、メニュー的にも午後には一定の速度で走って空力性能の出方等を確認する周回が繰り返されていた。

迎えた2日目(5日)も午前は天候に恵まれず。セッションの最初こそ雨は時折パラつく程度で路面は乾いていく方向にあったが、結局スリックタイヤの出番がないまま、セッション半ばからは周期的に強雨が襲うことに。メニューもやはりストレート一定速での走行がメインだった(午前は27周を消化)。

しかし午後2時30分からのセッションは明確な雨に見舞われることなく、次第に走行ラインの一部がドライ状態へと近づいていく。そして1分34秒091というレインタイヤでのベストタイムが記録されたのち、3時30分過ぎからついに2日間を通じて初のスリックタイヤでの走行が実現した。

まだ路面には濡れている箇所もあったが、タイムは1分32秒台、30秒台と上がっていき、スリックでの9周目(タイム計測8周目)には1分29秒391を記録。その後もピットインを2度挟み、スリックで計28周を走っての最終的なベストタイムは1分26秒173だった。最高速も301km/hがマークされている(午後はレイン、ドライで計49周を消化)。

ちなみに今年3月末の富士テストでは、今回のテストを担当している野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が現行マシンのSF14・ホンダで1分21秒台の1番時計をマークしているが、これと比べるのは温度条件や路面コンディション、そしてテストメニュー等の面でも新車SF19があまりに不利。重要なのは、もともと天候が良くないと見られていた2日間のなか、野尻が「何事もなく、(SF19の)個性や特性をある程度知ることができたと思います。いい時間を過ごせました」と語っていることだろう。状況なりに順調、と解釈できる。トラブルで長時間走れなくなるようなこともなかった。

最高速について、野尻は「(直線の長い富士にはセットアップとして不適な)ハイダウンフォースのままで走っても300km/h出ていますからね」と少し驚いたように話した。タイムについても「もちろん、伸びしろは全然あります。ダウンフォースのこともそうですし、路面もまだ濡れているところがありました。それに僕自身(アタックモードでは)いっていなかったのも事実ですからね。そこそこ程度に攻めただけでした。今日の状態でも頑張っていけ、といわれたら、あと1秒弱くらいは上がっていたと思います」。好素性のマシン、と考えてよいのだろう。

「天候が良くないなかでも、クルマの性格を知ってあげるという作業は進められました。ダウンフォースは強大だと思います。現状では、踏めば(速度が上がればダウンフォースも増して)曲がっていってくれる、という感触ですね。ただ、重要なのはその強大なダウンフォースを(セットアップやドライビングで)どう上手に使えるかであって、そこは難しいんじゃないかとも感じています。こういう姿勢で走るとこのクルマにはいけないんだ、ということは、なんとなく分かってきましたけどね。今後、テストが繰り返されて他の選手たちも乗っていくなかで解析ももっと進むと思います」

コンディションに恵まれないなかでも、来季以降このSF19がさらなる好バトルを演出してくれることは確実に期待できる、そんな感触のシェイクダウンテストだったようで、観戦する側にとってもまずは朗報となった。

SF19のテスト(メーカーテスト)は今後も富士を含む各サーキットで今月末~10月に計4回(8日間)が現状で予定されており、量産とチームへのデリバリーを目指してさらなる熟成が続けられる。また、富士スピードウェイでは今週末このままSF第4戦のレースウイークに入る流れで、SF19のピット内展示やデモ走行(8日)もプログラムされている。レースともども注目を集めそうだ。

《遠藤俊幸》

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