7月6日以来、西日本を中心に襲った「平成30年7月豪雨」の影響で、JR西日本、JR四国、JR九州で運行再開の見通しが立たない区間が相次いでいる。
JR西日本では広島県内や山口県内で被害が大きく、大規模な土砂流入や電気設備の水没などが発生。基幹路線の山陽本線も大きな打撃を受けた。このうち、三原~海田市(かいたいち)間では代替交通機関の利用が困難なことから、当面の間、山陽新幹線による代替輸送を行なうとしている。
JR四国では、予讃線本山(もとやま)~観音寺間に架かる財田(さいた)川橋りょうが被災。復旧に長期間を要する見込みになったことから、7月9日から当面の間、同区間でバス代行輸送を実施。7月11日からは多度津~観音寺間でも代行バスを運行するとしている。
JR九州では、7月6日に筑肥線鹿家(しかか)~浜崎間で土砂流入が発生した関係で、7月9日から当面の間、西唐津・唐津~筑前前原(ちくぜんまえばる)間でバス代行輸送を実施。鳥栖(とす)から長崎本線・唐津線経由で唐津方面へ至る他経路乗車の取扱いも開始している。
熊本県内の肥薩線では、7月7日に鎌瀬~瀬戸石間で大規模な土砂流入が発生した関係で、八代~人吉間で運行見合せが続いており、7月10日から当面の間、平日のみ同区間でバス代行輸送を実施する。
福岡県内の筑豊本線では、7月7日に上穂波~筑前山家間で道床流出が発生。運行再開まで時間を要するとしているが、こちらはバスによる代行輸送は行なわれない。
JR貨物では、7月9日15時時点で、姫路貨物~新南陽間、岡山貨物ターミナル~伯耆大山間、岡山貨物ターミナル~東水島間、岡山~高松貨物ターミナル間、高松貨物ターミナル~松山間で貨物列車の運行を中止。7月9日8時の段階で、434本の貨物列車が運休になったという。
このほかの鉄道では、福岡県の門司港レトロ観光列車『潮風号』が土砂流入により当面の間、運休に。岐阜県の長良川鉄道では、土砂流入のため、7月9日から復旧までの間、美濃市~北濃(ほくのう)間でバス代行輸送を実施する。