道の駅いたこで7月14日から16日まで開催されている「珍しい車の夏祭り」2日目には会期中の目玉でもある、漫画『サーキットの狼』の作者、池沢早人師氏のトークショーが開かれ、会場は大勢のファンでにぎわった。
池沢早人師氏といえば、サーキットの狼のファンは多い。トークショーに加えてサイン会もあるとあって、トークショーが始まる午後1時には、同道の駅、ひかりの広場特設会場に設けられたスペースには立ち見も含めて大勢の来場者が集まった。MCには元人気レースクイーンの美波千夏さんが登場。モータースポーツをまじかで見てきた経験なども踏まえて、池沢早人師氏の作品のベースにもなっていた、純粋なクルマに対する思いのようなものがとトークで引き出されていった。
〇これまでのクルマ遍歴を振り返る
今までに70台から80台くらいは様々なクルマを乗り継いできた池沢氏。「その中で一番印象に残っているクルマは?」というMCの問いに「台数も多いし、なかなか一台に絞るのは難しい。タイプ993のポルシェ『911GT2』はオーダーして乗っていたので、お別れしたときに恋しくなったね」と振り返る。
若いころは走ることを中心にクルマを楽しんでいたという池沢氏。「頻繁にサーキットなどにも走りに行きました。クルマに乗るときの“どきどき”というのはとても素敵で、恋にも似ているね。初めて女性を誘ってデートの約束をもらったらうれしいでしょ。そんなにも似たときめきというのかな。ああいうのがあるんですね」
池沢氏は、友人にもその楽しさ、喜びを知ってほしいと、クルマを貸したことがあったという。「貸してクルマをつぶされたことも結構ありますね。中には何台も廃車にした人もいます。保険でなんとかなった場合もあるけれど、何より危ない。一度は大きなクルマ屋さんに突っ込むのではないかということもあって。良かれと思って貸してあげて、けがをさせてしまうこともあるので、少し反省してます」
〇池沢氏も注目するEスポーツ
そんな中、『サーキット』の狼の最終話に関する話題から、最近のモータースポーツに関する話題へと進む。「結局エンジンとしては戦績を挙げているけれど、日本人のF1パイロット、まだ一度も優勝できていないんだよね。結構いいところまで行くが優勝となるとなかなか難しい。こういう状況を見ていると、こんなドラマを作品にしたためたくなるんですよね」と話す。
レッドブルと組むホンダへの期待、フォーミュラEなど新しいカテゴリーについても注目しているものの、今までのマシンを交換できるレギュレーションはいかがなものだろうかと話し、今後への期待をにじませた。また、それよりも注目しているというのがEスポーツだという。
「最近かなり盛り上がってきており、注目してます。もちろん賞金なども結構なレベルになっていたり、そのリアルな再現についても関心がある。何より、命の危険を冒さないでもモータースポーツを戦えるというのは画期的。白熱したレースができるね」と話した。
〇生粋のカーガイ。それが池沢早人師氏
「今お乗りのクルマ、そしてもしそれ以外に追加するとしたらどんなクルマがいいですか?」というMCに対して「実は、みんなからよく、クルマたくさん持ってるんでしょ、といわれるんです。確かに昔はたくさん持っていたけれど、最近はポルシェ『911カレラ』とBMW『M4』という2台にしてるんです」という。
「この2台はどちらもクラッチのない自動変速のできるクルマだから、時々乗るとマニュアルのクルマは楽しいね。あとはオープンカーかな。屋根を下して走ると気持ちがいい。案外ヒーターの性能がいいので冬は快適。むしろ厳しいのは今の時期かも。僕は日に焼けたいほうだからいいけど、女性はもしかすると苦手という人もいるかもしれない」と話した。
トークショーの後、先着でサイン会を実施。一枚一枚丁寧に色紙をしたためてサインを描いては、ファンに手渡し、しっかり握手をする池沢氏。
「珍しい車の夏祭り」は16日まで開催されている。