【BMW X2 試乗】ミレニアル世代だけに乗らせておくなんてもったいない…岩貞るみこ

試乗記 輸入車
BMW X2(写真は海外仕様)
BMW X2(写真は海外仕様) 全 18 枚 拡大写真

これは、なんというかまあ、ドはまりである。BMWがターゲットとする『X2』のユーザー層は、ミレニアルズと呼ばれる1980年から2000年に生まれたネットネイティブな世代だそうだが、すみません、その親世代の私ども女性(下から目線で「ども」呼ばわり)のハートを実にくすぐるのである。

理由はこのデザインと立ち位置。1、3、5シリーズのBMWらしさを前面に押し出したXシリーズに比べ、2、4、6の偶数組はクーペの要素を取り入れたデザイン。物理的な使いやすさだけを追求するのではなく、荷物室は多少せまくても気にしないという遊び心があるのだ。理詰めではなく、賢いしなやかさ。そしてコンパクトなX2は、おちゃめさも見え隠れして、ミレニアルズ親世代の私ですら、前のめりでうずうずしてしまうのである。

試乗した「xDrive 20i M Sports X」は、4WDで、2リットルターボエンジンで、フロントグリル回りやタイヤハウスを中心にグレーのパーツがあしらわれてオフロード感を上げているモデル。でも、硬めのサスペンションと大きな19インチタイヤも標準装備なので、オフよりオンロードを楽しんでねというメッセージが伝わってくる。実際、高さは1535mmと控えめなので、SUVというよりは街中で使いやすいスタイルである。

さてその、オンロードでのコーナリング。ハンドルをきって、コーナーを曲がり始めると、その曲がりやすさにどきりとする。クルマの頭から切り込んでいくのではなく、ボディの真ん中あたり、ちょうど自分が座っているあたりが、すすーっとコーナー円の中心に寄っていく感じなのだ。ちょっとハンドルを動かしただけで、なんの躊躇もなく吸い寄せられる感じ。あとは、アクセルをじわりと踏み込めば、安定を保ったままコーナーを駆け抜けられる。

なんだこれ。まったく不安なし。いや、あまりにキレキレで的確な反応に、そのほうが不安になるくらいだ。これはxDriveの4WDシステムが、ハンドルの角度やタイヤの回転具合をみて、前後タイヤに伝わるトルクを配分しているかららしい。ふだんは、FFで十分でしょと言う私も、このコーナリングを体験すると、4WDのxDriveを選んだほうがよくない? と、勧めてしまいそうだ。

このクルマ、人生経験少ないミレニアルズだけに乗らせておくなんてもったいないと思います。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「ハチ公物語」「しっぽをなくしたイルカ」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。最新刊は「法律がわかる!桃太郎こども裁判」(すべて講談社)。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. タイヤブランドGTラジアルよりオールシーズンタイヤ「4シーズンズ」発売
  2. マツダ、電動セダン『EZ-6』世界初公開、24年発売へ SUVコンセプトも…北京モーターショー2024
  3. 1回あたり300円、10分で施工できる凄技コーティング、洗車機との相性も抜群『CCウォーターゴールド』が選ばれる理由PR
  4. スバルとスカイラインにフィーチャー…第4回アリオ上尾 昭和平成オールドカー展示会
  5. 【ホンダ ヴェゼル 改良新型】開発責任者に聞いた、改良に求められた「バリュー」と「世界観」とは
  6. アルファロメオ『ステルヴィオ』後継モデルは、大容量バッテリー搭載で航続700km実現か
  7. トヨタが新型BEVの『bZ3C』と『bZ3X』を世界初公開…北京モーターショー2024
  8. 「ホンモノのGT」が日常を小冒険に変える…マセラティの新型『グラントゥーリズモ』が誘う世界とはPR
  9. Sズキが電動マッサージ器を「魔改造」、25mドラッグレースに挑戦!!
  10. 郵便局の集配車が「赤く蘇る」、KeePerが8000台を施工
ランキングをもっと見る