三菱ふそう、キャンター など延べ26万台をリコール ブローバイガス還元装置などに不具合

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三菱ふそう キャンター(2016年)
三菱ふそう キャンター(2016年) 全 6 枚 拡大写真

三菱ふそうトラック・バスは8月2日、小型トラック・バス『キャンター』などに不具合があるとして、国土交通省にリコール(回収・無償修理)3件、改善対策1件を届け出た。

不具合部位はブローバイガス還元装置の遠心分離フィルター/タイミングチェーン、発電機、機械式自動変速機の制御プログラム、エアバッグ。

ブローバイガス還元装置の遠心分離フィルター/タイミングチェーンの不具合は、ふそう『キャンター』『ローザ』、UDトラックス『カゼット』、日産『アトラス』の4車種、2010年5月26日から2016年6月13日までに製造された12万6357台が対象。

ブローバイガス還元装置の遠心分離フィルターのメンテナンス設定が不適切なため、長時間アイドリングを頻繁に行ったり、エンジンオイルのメンテナンスを適切に行わないと、フィルターにエンジンオイル中の汚れが堆積して目詰まりすることがある。そのため、そのままの状態で使用を続けると、クランクケース内圧の上昇によってエンジンオイルが吸排気系に流入して白煙等が発生。最悪の場合、意図せぬエンジン回転数の上昇等が生じてエンジンが破損、または火災に至るおそれがある。

改善措置として、全車両、遠心分離フィルターを新品に交換。吸排気系を点検し、損傷部品を交換する。また、エンジン制御プログラムを変更して、遠心分離フィルター再生時期警告灯点灯システムを追加するとともに、警告灯点灯時の対処方法について記載した取扱説明書の追補版を配布。遠心分離フィルターを定期交換部品に設定し、その旨記載された取扱説明書とメンテナンスノートの追補版を配布する。

不具合は1184件、火災事故1件、物損事故2件が起きている。

タイミングチェーンについては、エンジンオイル交換時期を誤って設定したため、本来の交換時期を超えて使用を続けるとエンジンオイル量が不足した状態となり、また、日常点検によるエンジンオイル管理の未実施等によって、タイミングチェーンの振れが大きくなり異音や出力不足等が生じ、最悪の場合、タイミングチェーンが切損して走行不能に至るおそれがある。

不具合が1170件発生している。

発電機の不具合は、ふそう『キャンター』『ローザ』、UDトラックス『カゼット』、日産『アトラス』の4車種、2010年5月26日から2016年6月10日までに製造された12万7407台が対象。

発電機用プーリー内部のグリスの耐久性が不足しているため、エンジンの低回転領域を主体に使用を続けると、グリスが早期に劣化してプーリーが破損することがある。そのため、最悪の場合、プーリーが脱落するおそれがある。

改善措置として、全車両、発電機用プーリーに落下防止プロテクタを装着するとともに、当該プーリーを対策品に交換する。なお、対策品の準備に時間を要するため、当面の間、当該プーリーを点検し、異常が認められた場合は対策品に交換し、異常が認められなかった場合は、準備が整い次第、対策品に交換する。

不具合は197件発生、事故は起きていない。

機械式自動変速機の制御プログラムの不具合は、ふそう『キャンター』、UDトラックス『カゼット』、日産『アトラス』の3車種、2011年4月15日から2018年2月28日までに製造された8708台が対象。

小型トラックのフルタイム4WD車において、機械式自動変速機の制御プログラムが不適切なため、発進時に後輪のスリップ状態が続くと、エンジン回転数が上昇し、最悪の場合、意図せぬ加速をするおそれがある。

改善措置として、全車両、機械式自動変速機の制御プログラムを対策プログラムに書き換える。

不具合は1件発生、物損事故が1件起きている。

いずれも市場からの情報により発覚した。

また、改善対策を届け出たエアバッグの不具合は、ふそう『キャンター』、UDトラックス『カゼット』、日産『アトラス』の3車種、2010年10月18日から2017年11月30日までに製造された16万3122台が対象。

小型トラックにおいて、運転席用エアバッグECU用配線の配索が不適切なため、衝突時のフロントパネルの変形により、当該配線がフロントパネルと当該ECU取付金具の間に挟まって切断され、エアバッグが展開しないおそれがある。

改善措置として、全車両、エアバッグECU用配線の配索位置を変更する。

不具合および事故は起きていない。社内情報により届け出た。

《纐纈敏也@DAYS》

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