4日、SUPER GTシリーズ第5戦開催中の富士スピードウェイにて定例会見に臨んだGTA(シリーズプロモーター)の坂東正明代表は、来季初開催を目指しているDTMとのジョイントイベント(交流戦)の時期等について、現状での見込みや展望を報告した。
SUPER GTはドイツのトップカテゴリーであるDTMと協調路線をとっており、これまでも進めてきたGT500クラスとDTMとの技術規則共通化がDTMは2019年、GT500も2020年から完全なもの(CLASS 1 技術規則)へと移行すること、そして2019年から待望のジョイントイベントを日欧で開催すべく動いていることも発表済みだ(既報)。
(*なお、GTAではこれまで交流戦あるいは交流レースと呼ばれてきたGT500とDTMの混走予定レースを今後、当面は「ジョイントイベント」という呼称にすると表明。本サイトもこれ以降、それに従うものとする)
既にSUPER GTの来季シリーズ日程は発表されているが、坂東代表は早ければ来季に日欧双方で実現するジョイントイベント(シリーズ外)の開催時期について、「欧州は10月、日本はシリーズ最終戦(11月10日/もてぎ)が終了したあと」との見解を示した。開催候補地は「向こうはホッケンハイム(F1ドイツGP開催地)でやれたらいいな、と考えています。日本に関しては、やはり(大きいレースを)やれるところとなると富士か鈴鹿だと思います」とのこと。
参加台数は、現段階での計画としてはGT500の全15台とDTMに来季参戦するアウディ、BMW計12台がお互いに行き来してのレース催行になる模様だ(メルセデスは今季限りでDTM撤退予定)。
また、将来的にはジョイントイベントの開催数を増やし、日独以外の国や地域にも展開していきたい意向を坂東代表は語っている。「UKやアメリカも考えたい。ワールドチャンピオン(シップ)レースとは言いませんが、各大陸(のレースシリーズ)と協調してやっていきたいと考えています」。
共通パーツ等を多く盛り込んだ、比較的安価で高い安全性とパフォーマンスを実現する「CLASS 1 技術規則」の発行が、世界中のマニュファクチャラー(自動車メーカー)にレース参戦の門戸を広げる効果をもたらし、それによって多くのシリーズがジョイント(交流)を果たして、ジョイントイベントのみならず個々がさらに隆盛する、SUPER GTとDTMはそんな近未来像を描いている。
アジア圏でも、中国で「チャイナSUPER GTを、という動きが出てきています」。また、タイでも「GT300クラスのレースを、との考えが出てきている」とのこと。中長期的に国際的な動きが多くありそうな、SUPER GTの周辺状況である。