スーパーカブ を操る人・つくる人・描く人…60年1億台、激アツトーク

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スーパーカブ60周年「スペシャルトークショー」に登壇した宮城光氏、川和聡氏、小林謙一郎氏(8月1日、ホンダ ウエルカムプラザ青山)
スーパーカブ60周年「スペシャルトークショー」に登壇した宮城光氏、川和聡氏、小林謙一郎氏(8月1日、ホンダ ウエルカムプラザ青山) 全 8 枚 拡大写真

昭和の時代から続く、ニッポンのヒット商品には、ことし60歳をむかえるプロダクトが、いっぱいあるとか。ホンダの『スーパーカブ』もそう。刻々と変わる時代のニーズにあわせて進化させながらも、登場当時の想いやコンセプトは変えずに……。

東京・青山のHondaウエルカムプラザ青山で1日から始まった「スーパーカブと素晴らしき仲間たち」展は、夏休み限定の“生誕60年をむかえた昭和のプロダクトの博覧会”といった雰囲気。

初日は、かつてHonda ワークスライダーの宮城光MC、本田技術研究所 二輪 R&D センター川和聡デザイン開発室長、三樹書房 小林謙一社長が登場。昭和のプロダクト60年をテーマに、トークを展開。すべてが熱い話題だったが、スーパーカブへの想いが詰まった部分を、ここでピックアップ。

川和室長:8月1日から受注が始まった「スーパーカブ50/110・60周年アニバーサリー」は、1963年アメリカのナイセスト・ピープル・キャンペーン広告に描かれたイメージイラストをモチーフにしました。その世界観をそのままに、マグナレッドを主体としたボディーカラー、ツートーン仕様のシートやブラック塗装のリアキャリアなど、特別カラーに。国内向けモデルだけど、仕事に使えるタフさと、パーソナルに使える手軽さをかねあわせたいという想いでデザインしました。

小林社長:ホンダに関わった人が「自転車の形が100年ぐらい変わらないのと同じで、スーパーカブも変わる必要がない」って言っていたのを思い出しますよね。この時点ですべてが完成されていたので、基本は変わらず。時代にあわせて進化していった。これは発明だったんですよね。まさに、新しい乗り物だった。

川和室長:1958年に登場したモデルとデザインはほぼ変わりませんよね。このスーパーカブは、ホンダのアイデンティティといえます。登場当時から、すごい高い完成度だったんですね。いまもその基本スタイルは変えずに、現代にあわせて少しずつ変えています。

宮城MC:自転車でもなく、オートバイでもない、スーパーカブなんだと。まったく新しい乗り物として開発していったんですね。

小林社長:当時、富士重工業(中島飛行機)が、ラビットスクーターというスクーターがあった。あのラビットはタイヤが8インチ。そこへ、スーパーカブは17インチを選んだ。国土交通省の調べによると、昭和33年当時は、舗装率は約30%。だからまっすぐに走るのもたいへんだった時代。本田宗一郎さんは、そうした舗装状況なども考えに入れながら、17インチに決めたと思うんですよね。

川和室長:本田宗一郎さんは、「現場ですべて決める」を地でいっていた人ですよね。市場にないサイズを、そこで決めるというのも異例でした。

小林社長:当時、本田宗一郎さんは、既存のタイヤを切って、またつなぎあわせて、試しに走らせたと聞いています。それだけ思い切ったことをやった人なんですよね。

川和室長:材料が少なかった時代だったでしょうしね。ある意味では、楽しい時間だっただろうとも思います。泥跳ねや風よけ、樹脂の割合も当時は斬新だった。こうしたコンセプトを引き継ぎながら開発していけるというのは、幸せです。

小林社長:内燃機関を載せるモビリティで、1億台を売ったのは、世界でスーパーカブたったひとつだけだと思いますよ。

川和室長:そんな想いや歴史、エピソードを60年、積み重ねてきたスーパーカブのアニバーサリーモデルは、初代をオマージュしています。仕事でも日常でも誰もが使えて自由に移動してほしいという思いを込めて、車体が大きくなったけど、いま求められる安全性や動力性能、人の体格も考えて、排気量やサイズなどを最適化しました。

---このあと、ホンダ以外の60年プロダクトについて、3人の熱いトークが続く。Hondaウエルカムプラザ青山で始まった「スーパーカブと素晴らしき仲間たち」展は、8月24日まで開催。2018年6月末時点で1億200万台が出たスーパーカブと、その仲間たちの歴史と情熱を、体感してみて。

《レスポンス編集部》

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