キャブオーバーのピックアップトラック? いすゞ トラガ…インドネシアモーターショー2018

自動車 ニューモデル モーターショー
いすゞ・トラガ
いすゞ・トラガ 全 13 枚 拡大写真

いすゞはインドネシア国際モーターショー(GIIAS)2018に、小型トラックの『TRAGA』(トラガ)を展示した。『エルフ』の姉妹モデルのようにも見えるが、まったく別の車種。なにしろメーカー自身が、これは「ピックアップ」だと主張しているのだ。

トラガは今回が初公開ではなく、4月にジャカルタで開催されたもうひとつの国際モーターショー「IIMS」で初公開され、同時にインドネシアでの販売もスタートしている。タイの拠点で開発され、インドネシアのいすゞアストラモーターで生産されているが、今後は他の新興国へも展開することになっているという。

しかしいすゞはすでに各国でエルフを販売している。エルフの標準ボディは全長が4690mm、いっぽうトラガは4520mm。荷台寸法はエルフが3120x1620mm、トラガは2810x1620mm。車体サイズも荷台の広さもトラガのほうが若干小さいわけだが、わざわざ別車種として設定するほどの差があるようには思えない。それではなぜ、トラガは生まれたのだろうか?

実はトラガはエルフと異なり、ピックアップトラック『D-MAX』のシャシーをベースに開発されている。つまり「キャブオーバー型のピックアップトラック」なのだ。日本でピックアップといえば、通常はボンネットタイプの車種を指す。荷台部分をキャビンに変更すれば、そのままSUVとなるような車種だ。エンジンの上にキャビンを載せたキャブオーバータイプこそが普通のトラック、というのが日本の感覚だろう。

しかし新興国ではボンネットタイプのピックアップトラックが浸透し、輸送や小口配送の業務に使われることも多い。トラガはそうしたユーザーに向けて、従来と同等のコスト負担でより広い荷台と、優れた使い勝手を提供するものなのだ。ホイールベースはD-MAXの3095mmから大幅に短縮された2250mmで、このおかげで最小回転半径は6mから4.5mに縮小。これで小回り性能が大幅に向上したという点も、混雑する新興国の都市部ではメリットだ。

また新興国では、小型トラックのシャシーはバスにも使われる。いすゞは今回、エルフのシャシーにカロセリがボディを架装した、小型バスと中型バスをディスプレイしていた。しかしピックアップのユーザーにとっては、ここまでの拡張性、多用途性は明らかなオーバースペック。だからピックアップをベースにキャブオーバートラックを作ることでコストを大幅に低減させた、というのがトラガ誕生の背景だ。もちろんD-MAXとの共用部位が多いことは、メンテナンスコストの低減にも貢献するだろう。

いすゞではトラガを「商用車事業を支えるエントリーカー」として位置づけ、シャシーにはエルフほどの拡張性を持たせていない。シャシーの仕様はひとつしかなく、荷台も平ボディとアルミバンの2種のみ。エンジンも2.5リッター直4ターボディーゼルの1種のみだ。

《古庄 速人》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
  2. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  3. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  4. カスタムパーツが付け替え可能な高級トミカ、「日産 スカイライン25GT TURBO」11月発売
  5. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  5. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
ランキングをもっと見る