【WRC 第9戦】トヨタ・ヤリスのタナクが連勝で今季3勝目…連続1-3のトヨタ、タイトル争いも視界に

モータースポーツ/エンタメ モータースポーツ
トヨタは2戦連続の1-3でシーズン3勝目。
トヨタは2戦連続の1-3でシーズン3勝目。 全 8 枚 拡大写真

世界ラリー選手権(WRC)第9戦がドイツを舞台として現地16~19日に開催され、トヨタ・ヤリスWRCを駆るオット・タナクが前戦に続く連勝を飾った。タナクとトヨタは今季3勝目。エサペッカ・ラッピが3位に入り、トヨタは連続1-3、王座戦線にも本格的に顔を出すこととなった。

ターマック(舗装)路面でのラリードイチェランド、トヨタ(TOYOTA GAZOO Racing WRT)は競技最終日を前に#8 オット・タナクが首位で#7 ヤリ-マティ・ラトバラが3番手、さらには#9 エサペッカ・ラッピも5番手という「これ以上ないくらい良い状況」に(チーム代表のトミ・マキネン談)。最終日に#7 ラトバラがマシントラブルでリタイアを喫したことは陣営にとって「失望を感じる」(同代表談)ところではあったが、他にも上位に脱落車があり、#9 ラッピが3位へとポジションを上げてフィニッシュを迎えることになった。トヨタは2戦連続の1-3フィニッシュである。

優勝の#8 タナクはフィエスタで勝った昨年に続くドイツ戦2連覇だ。自身とトヨタにとって前戦フィンランドに続く2連勝で、ともにシーズン3勝目。トヨタにとってはワークス復帰初年度の昨年を超える勝利数となり、復帰後通算5勝目、ターマック戦は復帰後初の勝利となっている。

#8 オット・タナクのコメント
「間違いなく、今まででもっとも大変な思いをして手に入れた勝利だ。週末を通して激しいバトルが続き、ひたすら全力で攻め続けなくてはならなかった。でも金曜日のブドウ畑のステージでは快適に運転することができたし、土曜日の午前中はあまり自信を持てなかったけれど、チームが日中のサービスでクルマを大幅に改善してくれた。そして今日(最終日)は、クリーンな走りだけを心がけたよ。我々のチームは今週末、本当に強かった。とても満足している」

見た目の展開ほど簡単ではなかったようだが、#8 タナクはほぼ完勝の流れだった。マキネン代表も「我々のチームにまたしても素晴らしい時間が訪れました。オット(タナク)は前戦フィンランドに続き、今回もまた週末を通して傑出していたと思います」と喜んでいる。

そして、ここ2戦の好調により、トヨタ勢はタイトル争いにおいても急速に存在感を高めることとなった。

まずドライバー部門だが、選手権リーダーの#5 ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)は今回2位で、彼を追う前年王者#1 セバスチャン・オジェ(フォード・フィエスタWRC)が同4位。ラリーの順位とは別にドライバーズポイントが与えられる最終パワーステージで#1 オジェが1位、#5 ヌービルが5位だったため、今回のラリー全体では#5 ヌービルがリードを2点広げて残り4戦で23点差としているが、そこにランク3位の#8 タナクも首位から36点差のところまで追い上げてきた(ドライバー部門は1戦最大30点獲得可能)。

差が小さいとはまだいえないが、最近の勢い、トヨタがグラベルでもターマックでも勝てるようになってきた状況を考えると、決して逆転不可能ともいえないポイントギャップだろう。#8 タナクはこの状況に際して、「選手権争いについてもいい方向に進んでいると思うが、自分としては一戦一戦を大事にしている。今はもう次戦に向けて集中しており、できる限り万全な準備をしてラリーに臨みたいと考えているよ」と語っている。

そしてドライバー部門以上にトヨタが期待できるのが、マニュファクチャラー(チーム)部門だ。トップはヌービルらのヒュンダイで254点、そしてトヨタが連続1-3フィニッシュによってランク2位に浮上し、241点。こちらは1-2なら43点獲れるので、13点差は至近距離といっても過言ではない。前回のワークス参戦期最終年である1999年以来、19年ぶり4度目のメーカー王座獲得が今季終盤のトヨタ勢にとって現実的な目標となりそうだ。面白くなってきた。

次戦第10戦は9月13~16日、しばらくぶりにWRCを開催するトルコへと転戦する。

《遠藤俊幸》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
  2. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  3. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  4. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
  5. 【BYD シーライオン7 新型試乗】全幅1925mmの堂々サイズも「心配無用」、快適性はまさに至れり尽くせり…島崎七生人
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  5. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
ランキングをもっと見る