【スーパーフォーミュラ 第6戦】岡山戦の走行初日、2連勝狙う王者・石浦宏明がトップタイム発進

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金曜フリー走行首位タイムの#1 石浦。
金曜フリー走行首位タイムの#1 石浦。 全 8 枚 拡大写真

7日、岡山国際サーキットで全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)第6戦の予選前日「専有走行」(金曜フリー走行)が実施され、前戦もてぎからの連勝を狙う前年王者・石浦宏明がトップタイムをマークした。

今回のレースを含めて残りは2戦。チャンピオン争いの行方を大きく左右しそうな第6戦の舞台は、ツイスティでテクニカルな岡山国際サーキットである。旧名のTIサーキット英田だった時代にはF1パシフィックGPを2度開催したこともあるコースだ。。

今回の金曜フリー走行は12時40分~13時40分という、比較的早い時間帯に実施された。天候は曇り、路面はドライ。参戦全19台が出走し、前戦もてぎは世界耐久選手権(WEC)との日程重複により代走にシートを委ねていた#36 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S/トヨタ)と#18 小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG/トヨタ)も戦列に復帰している。

1時間のセッションは目立ったアクシデントなく進み、周回数的には少ない者でも20周前後、多いところでは30周以上を消化した。このセッションはタイヤセット運用規則の関係から、各車の使用タイヤのスペックや状態が揃わない面が常にあるが、今回はこのセッションでソフト(軟らかい方のスペック)を使った陣営が普段より多い印象だった。

そのなかで1分14秒444のトップタイムをソフトで記録したのが#1 石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)。前戦もてぎで今季初優勝し、ランキング首位に3点差と接近、15年と17年に続く自身3度目の王座を照準にとらえた#1 石浦が、ここでもまずは存在感を見せた。

#1 石浦は「(予選~決勝で雨が懸念されることも含め)いろんな思惑でみんなが走っていましたから、あまり意味のあるトップタイムではないです」としながらも、「ドライでの感触はいいと思います。(土日が雨と決まったわけではないが)ドライでレースをやりたかったな、という感じですね(苦笑)。ウエットでの感触は明日の朝(のフリー走行で)走ってみないと分からないですけど、今日も多少ウエットのことも考えながらメニューを進めました」と順調そうな立ち上がり。参考タイムでの順位とはいえ、ライバルたちには王者の脅威が充分に伝わったのではないだろうか。

ちなみに今回の岡山戦では3段階ノックアウト方式予選のQ3でオーバーテイクシステム(OTS)が特別に2回使用可能となっており、昨季の岡山戦にはなかったソフトタイヤとこのOTSによるパフォーマンスアップをもって、岡山永年のコースレコード=1994年のF1開催時にアイルトン・セナが記録した1分10秒218に迫る、あるいは破ることが期待されている。金曜フリー走行でもOTSは使用できたそうで、#1 石浦のベストタイムもOTSを使ってのタイムだった模様。

現段階でセナとは約4秒差。仮に予選がドライになっても“セナ超え”は厳しいか。基本のコースレイアウトは昔と同じでも、「路面の舗装とかも途中で変わったりしていますしね」(石浦)ということで、比較の意味はあまり…と思われるのが正直なところではある。それよりも#1 石浦たちドライバーの目下の心配事項は雨と、狭くて短いコースゆえの予選での過剰混雑のようだ。

初日2番手タイムは新人の#50 千代勝正(B-Max Racing team/ホンダ)で1分14秒511、こちらもソフトでのタイムだった。#50 千代は「ドライビングにもクルマにもまだ伸びしろはあるタイムです。前戦では低迷してしまいましたが、今回はチームと一緒にいい方向に進めている、クルマへの理解が進んでいると感じています」と語り、内容的にも好感触な様子。そしてこちらもドライを期待しているが、どうやら各陣営、既に雨を覚悟しているようでもあった。

3番手タイムには昨年の岡山戦で1勝している#19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL/トヨタ)が1分14秒547で続いた(昨年5月の岡山戦は2レース制で、#19 関口はレース2で優勝。今回の岡山戦は1レース制)。4番手タイムは#1 石浦のチームメイトで16年王者の#2 国本雄資(JMS P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)。5番手には#18 可夢偉がつけた。

現在の選手権リーダー、#3 N.キャシディ(KONDO RACING/トヨタ)は初日12番手タイム。#1 石浦と同点でランク2位タイの位置にいる#16 山本尚貴(TEAM MUGEN/ホンダ)は初日16番手。#16 山本はロングランテストを重視していた雰囲気で、#1 石浦も言うように各陣営の思惑は多様であった模様だ。

今回は雨前提のドライということになったため、初日のタイムと順位はいつも以上に“参考”どまり。ただ、#1 石浦が前戦からのいい流れを維持していることは現状、確かなようである。予選~決勝、この先の“実戦”は果たしてどう展開するのか。

SF第6戦の公式予選は明日(8日)の午後3時15分開始予定となっている。

《遠藤俊幸》

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