【ミニカー検証】自動車史にその名を刻むべき名車、トヨタ2000GTを完全再現...オートアート

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オートアート「トヨタ2000GT」
オートアート「トヨタ2000GT」 全 15 枚 拡大写真

実車を解説しながら、ミニカーの再現度を検証するシリーズ。今回は日本初の本格的スポーツカーとして世界的に認知されている名車「トヨタ2000GT」を紹介する。

モデルカーの前にまずは実車がどのような車であったか見ていこう。

2000GTが生み出されたのは1960年代、まさに時代は戦後復興から日本が抜け出し高度経済成長真っ只中に突入していた。1964年に開催された東京オリンピックを起点として、白物家電と共に車も生活必需品化が急速に進んでいった。まさに日本におけるモータリゼーションである。

いつの時代も人々は革新技術や情熱の結晶であるスポーツカーに魅了される。当時の人々の憧れとして車人気を牽引していたのは1962年に発売されたニッサンのダットサン・フェアレディや二輪から四輪開発に着手したばかりの本田技研工業が送り出したSシリーズであった。今でこそ人気の86などを要するトヨタだが、この当時はスポーツカー開発においてライバル二社に大きく後れを取っていたのである。

そんな遅れを取り戻すためにもトヨタは1964年から本格的スポーツカーの開発に着手する。時を同じくしてヤマハ発動機もスポーツカー開発に名乗りをあげ、ニッサンとの共同研究がなされていたが、諸般の事情、主にスポーツカー開発に必要となる莫大な研究開発費の問題により頓挫した。

翌1965年、新しいスポーツカーの本格生産に向けてパートナーを探していたトヨタと、二輪のノウハウを生かして高性能な四輪開発に打って出たかったヤマハ双方のニーズがマッチする形で両社の業務提携が始まった。すでにトヨタ単独で進んでいた設計に加えて、ヤマハが二輪で培ったDOHCのエンジンヘッド技術や楽器造りに用いられる木工技術が合わさりプロジェクトは更に進化。肝心のエンジンはクラウン用に開発が進められていたM型と呼ばれる2リッター直6エンジンがベースとして用いられた。

こうして当時の国内最高の技術と革新的開発体制により2000GTが生み出され同年の東京モーターショーで華々しいデビューを飾った。本格的開発着手からわずか1年での試作車デビュー、今日では到底考えられないようなスピードであり、当時としてもどれほど異例ずくめのプロジェクトだったかが伺い知れる。

正式発売は2年後の1967年となり、1970年までとわずかな期間ではあったが、337台が生産された。当時の価格で238万円(大卒の初任給が3万円以下)と非常に高額ではあったものの、生産にかかるコストも大きく利益を出せる価格ではなかったことからトヨタの技術力PRやイメージリーダーとしての役割を果たすとすぐに生産が終了された。

生産台数の少なさや異例なヒストリー、映画007シリーズでの活躍から海外でも根強い人気を博し、左ハンドルなどの希少な条件が揃った個体は1億円以上の高値で売買される例もあるほど。

今日のトヨタ繁栄の礎を作った記念碑的スポーツカー、今なお日本一美しい車の一つであり、自動車史にその名を刻むべき名車、オートアート社の最新技術を結集したモデルカーに相応しい題材といえる。

それでは、本オートアートのモデルカーが実車をどのように再現しているのか、細部まで見ていこう。

本モデルは、1967年5月から68年3月までに生産された初期型を対象にモデル化している。以降の改良型との大きな違いは、フロントフォグランプの形状、サイドマーカーの色、テールマーカーの大きさなどが挙げられる。


全景を一目みただけでため息が漏れる。この時代の日本にこれほどまでに美しい車が存在していたことに改めて驚かされる。FRレイアウトを採用するスポーツカーとしてお手本となる流麗なロングノーズショートデッキスタイル、特徴的で力強いフロントノーズの形状、圧倒的に低いボンネットフード、どれをとっても見事に隙のないデザイン。世界初となるマグネシウム製ホイールの質感まで見事に再現されている。ボディの細部を飾るメッキ部品のクオリティの高さもひときわ目を引く。


本モデルの最大の特徴とも言えるのがスイッチにより開閉可能なリトラクタブルヘッドライトだ。フロントバンパー左底部に配置されたスイッチを引くとユニークな形状のヘッドライトがせりあがる。日本車で初めてリトラクタブルヘッドライトを採用したのもこの2000GT。


フロント側がヒンジとなるボンネットを開けてみると、低い位置に搭載された直列6気筒エンジンが姿を現す。この当時からフロントミッドシップレイアウトが採用されており、長い6気筒エンジンが完璧に車軸より後ろに収まっているのがよくわかる。


ドアを開けて室内を覗いてみよう。ヤマハが楽器制作で培った技術を注ぎ込んだ美しいウッドのパネル類が木目の一つ一つまで丁寧に表現されている。それだけでなく、メーターパネルやラジオに至るまで驚きの再現度だ。


左右のフェンダーに設けられた蓋を開けてみると右にはバッテリー、左にはエアクリーナーが格納されており、当時の設計にも本モデルの再現度にも脱帽である。


最近のオートアート社製のモデルカーのリアリティは留まるところを知らず、モデルを重ねる毎に表現力や再現度が増しているように感じられる。

337台しか製造されなかった実車は非常に希少だが、本モデルなら誰もが手にすることができる。ぜひ実際に手に取ってずっしりとした存在感を感じ、何時間でも眺めていられる流麗な美しいボディを楽しんでいただきたい。

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《山里真元》

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