価格は6.6億円超、「最上級のブガッティ」がめざしたのは“史上最高速”ではない

自動車 ニューモデル 新型車
モントレー・カーウィークでお披露目となったブガッティ ディーヴォ(DIVO)と、ステファン・ヴィンケルマンCEO
モントレー・カーウィークでお披露目となったブガッティ ディーヴォ(DIVO)と、ステファン・ヴィンケルマンCEO 全 24 枚 拡大写真

500万ユーロ超のスペシャルモデル「ディーヴォ」


『シロン』の生産が始まって、デリバリーが100台をようやく過ぎたこの段階で、名前の異なるニューモデルが発表されるなど、誰が予想しえたことだろう。

夏の終わりのビッグイベント、モントレー・カーウィークにおいて、新型ブガッティが登場した。その名は『ディーヴォ(DIVO)』。

【画像全24枚】

世界限定40台。お値段500万ユーロ(約6.6億円)以上。1500psの8リットルW16クワッドターボエンジンなどナカミはシロン譲りなれど、ドライビングパフォーマンスにまったく異なるキャラクターを与えた、スペシャルモデルである。

モダン・ブガッティは、その車名に往年のブガッティ・レーサーの名を拝借している。ピエール・ヴェイロン、ルイ・シロンときて、今回はアルベルト・ディーヴォというわけだ。そして、その名レーサーの足跡にこそ、ディーヴォの走りのキャラクターのヒミツが隠されていた。

「ごく限られた顧客の望みを高いレベルで叶え続ける」


アルベルト・ディーヴォは1923年から33年にかけてブガッティ・ワークスに在籍。ドラージュから移籍したその年に、名車T35Bを駆ってタルガ・フローリオで優勝を果たしている。

タルガ・フローリオは、シシリアのワインディングロードを使った伝説の公道耐久レースである。ブガッティにとっては、T35で5連覇を果たした輝かしい歴史の1ページ。そこで移籍後すぐに優勝を果たした名レーサーの名を付けたのだから、新モデルのコンセプトは明白と言っていいだろう。

つまり。これまでのブガッティとは違って、最高速よりもハンドリング性能を重視する。それがディーヴォのポイントだ。スタイリングは、それゆえシロンよりもかなりアグレッシブである。最近のスーパーカーに流行りの空力も積極的に採り入れてきた。

今年1月からCEOに就任した元ランボルギーニ&前アウディスポーツのステファン・ヴィンケルマン曰く、「シロンのスタイリングが我々にとってベストな答えだと言えたのは、2016年よりも以前の話なんだ。当然、顧客の欲しいカタチも年々変わっていく。ブガッティとしては、ごく限られた顧客の望みを高いレベルで叶え続けるブランドでありたい。それが世界一であり続けるための方策のひとつなんだ」。

筆者に、そう自信たっぷりに語ったステファン・ヴィンケルマン。彼の自信の背景には、シロンやヴェイロンのオーナー向けに行なわれたスニークプレビューにおいて、アッという間にディーヴォの限定枠40人の手が挙がったことがあるだろう。

デザインにも理由がある


チーフデザイナーのアキム・アンシャイトも、「ディーヴォのデザインも決して突拍子もないものではなく、ハンドリング性能を高めるための機能が生んだカタチなのです。つまりオーセンティックであるという我々の本流からは外れていません。たとえばシロンとはまったく違う顔つきになりましたが、これはエアの吸入量を最適化するために、ヘッドライトを可能な限り小さくして車幅いっぱいに配したかったから、なのです」という。

ブガッティの開発トップに新たに就任したステファン・エルロットによれば、「以前からもっとニンブルなハンドリングキャラクターをもつスポーツカーを造りたいというプランはありました。それを達成するためには、シロンよりも強いネガティヴキャンバーと大きいダウンフォースを授けなければなりませんでした。そのため、スピードキーの設定はなく、最高速度は380km/h(つまりシロンのスピードキー無し状態と同じ)に制限しています。我々の開発の結果は、ナルドのハンドリングサーキット(一周6.2km)で、シロンより8秒早くラップしたということが如実に物語っていると思います」。

完売御礼のディーヴォ。来年早々には正式なプロトタイプが走り始め、夏過ぎには最初のオーナーのもとへとデリバリーが始まるという。
 

《西川淳》

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「映画やアニメが現実になった」テスラ新型『ロードスター』、空飛ぶデモがSNSで話題に
  2. 【レスポンス読者試乗会】乗って初めて見えた、4組の試乗者が語る日産『エクストレイル』のリアルPR
  3. ホンダとGUがコラボ! 80~90年代レトロなモトクロスの世界観を最新アパレルに
  4. ホンダ『アコードSUV』2029年登場か! アウトバック対抗の新型クロスオーバー
  5. ホンダ『WR-V』改良新型、インドで先行発表…新グリルとLEDで表情変化
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. EU「欧州製EV」優遇へ、産業加速法を審議---売れるEVと売れないEV
  2. 全ての体格に対応する後席用新型シートベルト、ZFが2025年央発売へ
  3. スカニア、中国で新事業開発組織「VNBC」設立…電動・自動運転輸送を加速へ
  4. 【セミナー見逃し配信】※プレミアム・法人会員限定 欧州自動車産業の次の一手、欧州の現場で何が起きているのか~EV減速局面・SDV/AIへの移行・中国勢の浸透~
  5. インド国産化の進め方、事業の核の築き方【インド・新自動車大国の素顔】
ランキングをもっと見る