【青山尚暉のわんダフルカーライフ】ドッグフレンドリーカーに必要な装備、機能は?

自動車 ビジネス 国内マーケット
【青山尚暉のわんダフルカーライフ】ドッグフレンドリーカーに必要な装備、機能は?
【青山尚暉のわんダフルカーライフ】ドッグフレンドリーカーに必要な装備、機能は? 全 22 枚 拡大写真

愛犬とより快適・安全にドライブを楽しむには、クルマ選びの際、ドッグフレンドリーな装備・機能があるかの確認をすることが不可欠。中には「それが犬を乗せるのにやさしい装備・機能なの?」と思えるものもあるかもしれないが、モータージャーナリストにしてドッグライフプロデューサーでもある、年間何十台もの新車のドッグフレンドリー度を検証しているので、信じていただきたい。

まず誰もが思いつくのは、愛犬の乗せ場所、つまり後席やステーションワゴン、SUV、ミニバンなどのラゲッジルームの低さ、暑がりの犬が暑い日でも快適に乗っていられるための後席エアコン吹き出し口や、後席への日差しをやわらげ、車内温度の上昇を抑え、犬が嫌がる外からの干渉が防げるリアサイドウィンドウのブラインドなどだろう。


しかし、それだけでは不十分。そこでおすすめしたい装備・機能が以下の通り。

1.エコモード


エコモードとは、燃費を向上させるための機能で、スイッチをONにすることで燃費をよくするため出力特性を穏やかにしてくれる機能。つまり、たとえアクセルをラフに踏み込んでも加速がやさしくなり、車内でどこかにつかまれない犬もより安定して乗っていられることになる。ボクも燃費、犬の快適性のため、愛車のエコモードは常にONにしている。呼び方はさまざまで、ホンダは緑の「ECON」スイッチがそれに相当する。

2.パドルシフト


意外なドッグフレンドリー装備がパドルシフト。パドルシフトというとスポーティな走りのためだけにあると思われがちだが、実は愛犬にやさしいスムーズな運転にもマイナス(減速)側は貢献してくれるのだ。そう、ちょっと前のクルマとの距離がつまったときなど、マイナス(減速)側のパドルを操作すれば、下手にブレーキを踏むよりずっとスムーズな減速、スピードコントロールが可能になるわけだ。

3.ハンズフリーオートスライドドア


ミニバンのスライドドアに用意されるハンズフリーオートスライドドアは、足先をドアの下にくぐらせることでスライドドアの自動開閉ができる装備。多頭飼いの愛犬家が両手に犬をひいているとき、両手が犬と荷物でふさがっていても、さっとスライドドアを開閉できる便利さは使ってみると納得のはず。特に傘を差している雨の日にはありがたみ150%である。

4.360度モニター


これは車体外側の数個のカメラによって、クルマを空から見たような合成画像をモニターに映し出してくれる先進安全支援機能のひとつ。これがどうドッグフレンドリーなのかと言えば、駐車場などでクルマを動かす際、車体周囲の死角をウロウロしている愛犬や飼い主が一目瞭然で、接触事後などを防げるからだ。

5.後席確認ミラー


ミニバンなどに装備されている、運転席の頭上にある後席確認ミラーもドッグフレンドリー装備と言える。後席に乗っている愛犬の様子を振り返ることなく安全にチェックできるからだ。気持ち良さそうに寝ていれば安心できるし、いたずらをしていればやめさせることも可能。もっとも、ミラーのサイズ、画像が小さく、はっきりと見えにくいのが難点ではある。

6.シートサイドのすき間


これは装備・機能というよりデザイン、仕様のドッグフレンドリーポイントだが、後席に愛犬を乗せる際、どうしても抜け落ちる抜け毛(被毛が抜けやすいダブルコートの犬の場合)が後席シートサイドとサイドシル(ドア下の敷居)の狭いすき間に落ちると掃除が大変。しかも、放置しておくと車内の動物臭の原因にもなるからやっかい。ところが、中には後席シートサイドとサイドシルの間にステップなどがあってすき間がないクルマもある。ステップは犬が足をかけやすい効果もあり、ダブルのドッグフレンドリーポイントとなりうる。

7.フラットシートアレンジ


ミニバンやSUV、ステーションワゴン、ユーティリティ系軽自動車で行える後席フラットシートアレンジも愛犬とのドライブで役立つ。ここでは厳密な水平までは求めないが、段差なくできるフラットシートアレンジのことを差す。例えば、3人乗車で愛犬をちょっと狭めなラゲッジルームに乗せなければならない時でも、後席分割機能を使い、後席の片側をフラットに倒すことで、愛犬用の縦長フラットスペースが出現。飼い主のすぐ横でドライブを安心して楽しむこともできたりする。くどいようだが、そのアレンジ時、愛犬が気持ちよく快適に横になれるよう、大きな段差がないことが絶対条件である。

このほかにもEV、PHV、PHEVならではのドッグフレンドリー装備、機能もあるが、それらはあらためて紹介したい。

それでは、愛犬にとって最高にドッグフレンドリーな装備、機能を備えたお気に入りの1台を選んで、最高に快適で安全な“わんダフルカーライフ”を愛犬とともに楽しんでいただきたい。

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドッグライフプロデューサー
自動車専門誌の編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に寄稿。自作測定器による1車30項目以上におよぶパッケージングデータは膨大。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、ラジオ番組の出演、イベントも手がけ、愛犬との安心快適な自動車生活を提案するドッグライフプロデューサーの活動、自動車用ペットアクセサリーの企画・開発も行っている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

《青山尚暉》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「本当に世に出るとは」わずか1トンの車体に800馬力V12を搭載、「超アナログ」なスーパーカーにSNS沸く
  2. 狭い道! 制限1.7mでコンクリートブロック付き、道幅は5mあるけど?…東京都板橋区
  3. 次期トヨタ『ハリアー』は新エンジンの恩恵でフォルムが大変化…スクープ記事ベスト5 2025年上期
  4. 狭い道! 制限1.3m、通れる車がなくなった都市計画?…東京都世田谷区
  5. インフィニティが「中型SUVクーペ」のコンセプト公開、モチーフに「竹林」と「歌舞伎」
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る