安全と環境性能を両立した商用車の実現に向けて、サプライヤーの果たす役割とは…ハノーバーモーターショー2018

自動車 ニューモデル モーターショー
ZFの記者会見(ZFブース、ハノーバーモーターショー2018)
ZFの記者会見(ZFブース、ハノーバーモーターショー2018) 全 18 枚 拡大写真

「第67回IAAコマーシャル・ビークルズ(商用車)」、通称ハノーバーモーターショーには、トラック、バスメーカー各社から先進的なモデルやコンセプトカーが出展されている。

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ドイツ自動車工業会(German Association of Automotive Industry: VDA)のベルンハルト・マテス会長は、「車両の主な機能のうち、70%以上を何らかの形でサプライヤーが支えている」とし、革新的な技術開発においては部品メーカーの果たす役割が大きいと語った。

9月19日のプレスデー初日に120億ユーロの研究開発投資を発表したドイツのサプライヤー、ゼット・エフ・フリードリヒスハーフェン社(ZF)は、彼らの果たしている役割を分り易い形で展示している。

ブースの中央には、「see. think. act. (見て、考えて、動かす)」と書かれた展示台が設けられ、先進運転支援システム(ADAS)や自動運転に必要なコンポーネンツが並べられていた。「見る」機能を担うカメラやレーダー、ライダーなどのセンサー類が、クルマの目として周辺環境を認識する。そこからの情報は人工知能「ProAI」が処理し、適切な動作を行うための指示を各アクチュエータに伝える。

ZFといえば、かつてはトランスミッションなどの駆動系やショックアブソーバなどのサスペンション技術を中心に、ステアリングシステム、ブレーキやといったメカニカルな分野で評価されてきたサプライヤーだ。その実績を、センサーやAIに関する新しい技術と統合し、トータルでADASや自動運転システムを提供できるノウハウを持つのが同社の強みであると、CEOのウォルフ=へニング・シャイダー氏は強調していた。

また、同社も電動化に対する取り組みを積極的に行っている。ブースの一番前に置かれていたのは「Electric Mobility」に関する製品。搭載する車両のサイズに合わせて3種類が用意された「CeTrax」シリーズは、モーター、インバータとトランスミッションが一体化されたコンパクトな電動ドライブ。既存の車両に大きな改造を施すことなく装着できることから、ZFでは「プラグ・アンド・ドライブ」コンセプトと呼んでいるそうだ。

大型商用車は死角が大きいため、特に歩行者などの巻き込みは重大事故につながる危険性が高い。また長距離を走るケースが多く、運転者にかかる大きな負担も事故の原因となり得る。部品メーカーが、ADASや自動運転分野で行っている技術開発が、より事故の少ない社会の実現に大きな貢献を果たしそうだ。また、CO2排出量の削減が世界的な課題となっている現在、商用車とは言えゼロエミッションに向けた努力が急務なのは明らかである。

今回のハノーバーモーターショーを通して、ZFだけでなく、サプライヤーや完成車メーカーのほとんどが商用車の自動運転や電動化に向けた取り組みに大きな投資を行っていることが改めて確認できた。技術的には、より安全でクリーンな商用車を作ることが可能な時代は近いと感じられる。

ただし、乗用車と違い、その運用によって利益を生むことが宿命づけられている商用車には、常にコストという課題がついて回る。より高性能なシステムを、どこまで低コストで提供できるか。ZFも含め、サプライヤーの真の力がこれから試される事になりそうだ。

《石川徹》

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