フェラーリが810馬力のスピードスター発表、「風をも楽しむ」…パリモーターショー2018

刺激的な「イーコナ」シリーズを展開

「バーチャルウインドシールド」を装備

ひと筆書きのようなエレガントでミニマルな造形

812スーパーファストと同等以上の性能

フェラーリ・モンツァSP1 と モンツァSP2(パリモーターショー2018)
フェラーリ・モンツァSP1 と モンツァSP2(パリモーターショー2018)全 16 枚
◆刺激的な「イーコナ」シリーズを展開

フェラーリは10月2日、フランスで開幕したパリモーターショー2018において、『モンツァSP1』(Ferrari Monza SP1)、『モンツァSP2』(Ferrari Monza SP2)をワールドプレミアした。新たなコンセプトの限定スペシャルシリーズ、「イーコナ(Icona)」の第一弾だ。

イーコナは、フェラーリの歴史の中でも、とりわけ刺激的な存在を示した車両をモチーフとし、特別な顧客やコレクターに向けて展開する新しいセグメントのスペシャル限定シリーズ。1950年代のバルケッタをモチーフにしている。当時、フェラーリのワークスドライバーだけでなく、世界各国のドライバーが国際的なモータースポーツイベントに参戦し、伝説的なプロフェッショナルドライバーと接戦を繰り広げてきた。
フェラーリ・モンツァ SP1
モンツァSP1とモンツァSP2には、『750モンツァ』や『860モンツァ』などのネーミングと、過去の象徴的なフェラーリレーシングバルケッタのルーツとなる1948年の『166MM』を想起させるデザイン要素を注入。モンツァSP1は、ステアリングホイールを握るドライバーに、独特のエクスペリエンスをもたらす妥協のないシングルシートロードカーとして設計。一方、モンツァSP2は、トノカバーを廃し、セカンドウインドプロテクターとロールバーを追加装備。ドライバーと一緒にパッセンジャーもセンセーショナルなドライビングエクスペリエンスを堪能することを目指した2シーターモデルとなる。

◆「バーチャルウインドシールド」を装備

ウインドスクリーンもルーフも装備しない独特の車体構造のために、エアロダイナミクスは、既存のフェラーリとは異なるアプローチで開発。特許を取得した「バーチャルウインドシールド」によって、ドライバーは高速走行時にもドライビングに集中できるという。システムはドライバーの視線より下に位置しているにも関わらず、バルケッタとしては、歴史的なモデルや同様の構造を備えた車両のベンチマークとなる従来にない快適性を実現した、としている。
フェラーリ・モンツァ SP2
まず、徹底的なCFDモデリングによって開発が進められ、続いて実際の風洞実験室での開発で熟成。風洞実験用のフルスケールのモックアップを製造し、テストドライバーと圧力センサー(レーキとキールを測定)を装着したダミー人形が交代で乗車。極端なフォルムによるエアロダイナミクス特性を追求した。

ウインドスクリーンがないため、ボンネットからの気流は、正面からドライバーの顔に当たる。バーチャルウインドシールドは、この気流によるネガティブな影響を最小化しながら、この種のオープンカーだけがもたらす痛快なスピード感や路面との一体感ももたらすことを可能にしているという。
フェラーリ・モンツァ SP2
モンツァSP1とモンツァSP2は、広範囲にわたってカーボンファイバー素材を使用。フェラーリ『812スーパーファスト』の車台をベースに、専用デザインのヘッドライト、テールライト、ホイール、インテリアなどを採用した。ボディサイズは、全長4657mm、全幅1996mm、全高1155mm。

◆ひと筆書きのようなエレガントでミニマルな造形

設計を担当したのは、フェラーリデザインセンター。デザインの狙いは、1本のペンで一筆書きしたかのような、時を超えたエレガンスとミニマルなフォルム、そして洗練されたディテールの理想を求めて、極めて純粋なデザインを創造すること。最近のレーシングカーに見られるような視覚的に複雑なソリューションを避け、控えめながら正統なデザイン手法を採用した。人と自動車のつながりを象徴するドライバーズカーであることに焦点を置く。

上向きに開くコンパクトなドアは、デザインの特徴のひとつ。同じく、その下にV12エンジンが収まるフロントヒンジ開閉機構を採用したカーボンファイバー製のワンピースボンネットとフェンダーも、モンツァSP1とモンツァSP2の大きな特徴になる。レーシングカーと同じく、ボディシェルはすべて軽量なカーボンファイバー製。インテリアもカーボンファイバー素材で仕立てられた。

◆812スーパーファストと同等以上の性能

動力性能で掲げた開発目標は、812スーパーファストと同等、またはそれを超える性能というもの。これら目標性能を達成するために、「バーチャル・ショートホイールベース・コンセプト」と電動パワーステアリングを装備した。

6.5リットルV型12気筒ガソリン自然吸気エンジンは、フェラーリの市販エンジン史上最強のスペックを発揮。最大出力810ps/8500rpm、最大トルク73.3kgm/7000rpmを獲得する。車両重量はモンツァSP1が1500kg、モンツァSP2が1520kg。0~100km/h加速2.9秒、0~200km/h加速7.9秒、最高速300km/h以上のパフォーマンスを実現している。

《森脇稔》

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