日高本線苫小牧~鵡川間は12月上旬に再開の見込み…橋桁ずれが生じた厚真川橋りょうの復旧に着手へ 北海道胆振東部地震

厚真川橋りょうの被災状況。右の写真が最も桁ずれ量が多かった13Pと言われる箇所。
厚真川橋りょうの被災状況。右の写真が最も桁ずれ量が多かった13Pと言われる箇所。全 2 枚

JR北海道は10月3日、北海道胆振東部地震の影響で厚真川橋りょうが被害を受けたことから運休が続いている日高本線苫小牧~鵡川間が、12月上旬に再開する見込みになったことを明らかにした。

勇払~浜厚真間に架かる厚真川橋りょうは、橋桁にずれが生じたことから、日高本線は9月6日の地震発生時から苫小牧~鵡川間の運行を見合わせ、バスによる代行輸送を行なっている。

JR北海道は、地震発生翌日に公益財団法人鉄道総合技術研究所(鉄道総研)に技術指導を依頼する一方、自社での現地調査を実施し、橋桁ずれを確認。その後、橋脚の健全度検査や鉄道総研による現地調査が行なわれた。

これらを経て、鉄道総研で橋桁ずれの影響や橋脚基礎の被害推定、復旧方法が検討された結果、「3P、4P、13P上で、鉄筋コンクリート桁がずれていた。それ以外の全ての鉄筋コンクリート桁、鋼桁、支承、橋脚の地表部に列車走行に問題が生じる損傷は生じていなかった」と報告された。

厚真川橋りょうの断面図。鉄道総研からの報告では、桁座の拡幅量を、13Pの桁ずれ量である27cm以上とすることが提言されている。厚真川橋りょうの断面図。鉄道総研からの報告では、桁座の拡幅量を、13Pの桁ずれ量である27cm以上とすることが提言されている。

このうち4Pと13Pについては、鉄筋コンクリート桁が連続する区間と鋼桁が連続する区間の境目になっていたことがずれの原因とされ、鉄筋コンクリート桁については「桁を据え直し、落橋のリスクを低減するために桁座の拡幅を行うとよい」と提言している。

また、鉄道総研は、復旧後の橋りょうの維持管理にも触れており、「橋脚天端の変位について監視を行い、一定期間有意な変位が生じていなければ、橋脚の地中部や基礎に損傷が生じていないと考えてよい」と述べ、橋脚に変位が生じた場合は橋脚や基礎の補強などを行なう必要があるとしている。

この報告を受けてJR北海道では、桁座の拡幅や桁の据え直し、橋りょう部の軌道工事を行なうとしている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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