【WEC 18/19第4戦 富士】走行初日、トヨタが2セッションとも1-2で発進…1番時計は一貴/アロンソ/ブエミの8号車

#8 トヨタTS050
#8 トヨタTS050全 12 枚

世界耐久選手権(WEC)2018/2019シーズン第4戦「富士6時間」は12日、走行初日を迎え、2回のフリー走行セッションが実施された。LMP1クラスのトヨタ勢は両セッションともに1-2タイムを記録している。

曇り空の富士スピードウェイを舞台に、WEC日本ラウンドの戦いが始まった。初日は当初予定1時間半のフリー走行セッションが2回設定され、1回目の最初こそ路面には濡れたところも残っていたが、概ねドライといっていい状況での走行となった。気温は20度弱、路温は20度強というところでの推移。

この日はコース最終セクションの第13コーナー~レクサスコーナー間で予期せぬ“波乱”が起きた。走路外にあたる区域の始まり付近に設置された、逸脱走行抑制のためと見られる人工的なバンプ(縁石の一種、進行方向に対して横置き)の破損とその対応による赤旗中断が相次いだのである。

1回目のセッションは延長されて正味1時間半を走れたものの、2回目は延長が10分しかできなく、およそ半分のセッション時間が無為に流れてしまった。翌日午前のフリー走行3回目の時間が30分拡大されはしたが、初日の走行量が思ったほどはこなせないという状況に各陣営は直面している。

#8 トヨタTS050#8 トヨタTS050

そんななか、LMP1クラスでは両セッションともトヨタ勢が1-2タイムを記録した。2回とも#8 トヨタTS050ハイブリッド(S. ブエミ&中嶋一貴&F. アロンソ)がトップで、#7 トヨタTS050ハイブリッド(M. コンウェイ&小林可夢偉&J-M. ロペス)が2番手。この日の最速タイムは2回目に8号車がマークした1分23秒973だった。ドイツのケルンと日本の東富士研究所をダブル本拠地とするトヨタ、ホームコース富士戦3連覇に向けて、まずは順当なポジションでの滑り出しとなっている。

日本のSUPER GTにも参戦している09年F1王者ジェンソン・バトンは今大会、大きな注目を集める選手のひとりだが、彼が乗り組むSMPレーシングの#11 BRエンジニアリングBR1-AER(M. アレシン&V. ペトロフ&J. バトン)はフリー走行1回目がLMP1クラス3位、2回目が同4位。LMP1クラスの表彰台の一角(3位)争いは、SMPレーシングの2台、そして日本馴染みでもあるルマン通算3勝の猛者アンドレ・ロッテラーらを擁するレベリオン・レーシングの2台(#1と#3)、これら4台によって展開されそうだ。

#7 トヨタTS050#7 トヨタTS050

LMP2クラスでは1回目のトップが#28 オレカ07-ギブソン(F. ペロード&M. ヴァクシヴィエール&J-E. ベルニュ)で1分30秒360、2回目のトップが#36 アルピーヌA470-ギブソン(N. ラピエール&A. ネグラォン&P. ティリエ)の1分30秒410だった。ちなみに#36はつい最近、6月のルマン24時間レース(18/19WEC第2戦)でのLMP2クラス優勝が正式に確定している(他チームの失格についての抗議問題が決着)。井原慶子が乗る#50 リジェJSP217-ギブソン(E. クリード&R. リッチ&井原)は1、2回目ともクラス7位のタイム。

フォード、アストンマーティン、ポルシェ、フェラーリ、BMWが競うLMGTE-Proクラスでは、1回目はフォード、2回目はアストンマーティンというかたちで、クラス首位タイムを分け合った。2セッション総合の首位タイムは#95 アストンマーティン・ヴァンテージAMR(M. ソーレンセン&N. ティーム)の1分37秒659。

J.バトンらの#11 BR1-AER。J.バトンらの#11 BR1-AER。

なお、WECとはまったく別の動きになるが、アストンマーティンに関しては来季のDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)にスイスの「R-モータースポーツ」がヴァンテージをベースとしたマシンで新規参戦することを発表した、との報も欧州から流れてきている。

LMGTE-Amクラスでは星野敏(さとし)らが乗るデンプシー-プロトン・レーシング、#88 ポルシェ911RSR(星野&G. ローダ&M. カイローリ)が1~2回目総合のクラストップタイムだった。

プレイベント会見に臨んだバトン(右)とアロンソ。プレイベント会見に臨んだバトン(右)とアロンソ。

明日(13日)は公式予選日となる。午前中に3回目のフリー走行があったのち、午後2時からLMGTE部門、2時30分からLMP部門の予選が実施される予定だ(フリー走行3回目はもともとの予定よりも30分拡大され、9時30分~11時の実施予定)。

《遠藤俊幸》

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