【浦島ライダーの2輪体験記】スウィッシュ の10インチは、降りても「ありがたい」

スズキ スウィッシュ
スズキ スウィッシュ全 16 枚写真をすべて見る

16歳の誕生日と共に原付免許を取り、でも、20代はクルマに夢中。アラサーでリターンライダーになるも、40代は仕事に忙殺される。そしてアラフィフで2輪に再々入門。そんな浦島ライダーが、最新のバイクをチェックしていきます!

スクーターの使い勝手を、さらに磨き込んだ

スズキ『スウィッシュ』は、124ccエンジンを搭載した同社の“原二スクーター”こと、原付二種(AT小型二輪)のトップモデル。価格は31万8600円。「通勤快速」の定番たる『アドレス125』が22万1400円、その弟分『アドレス110』が21万3840円だから、従来モデルよりワンランク上の上質さを狙ったスウィッシュは、価格面でもひとまわり上となる。

ただ、スズキの最新スクーターを単なる豪華版と捉えると、ちょっと違うかも。むしろ、ただでさえ便利なスクーターの使い勝手を、さらに磨き込んだ“シティ派モデル”。それがスウィッシュなんじゃないでしょうか。
スズキ スウィッシュ
スウィッシュ第一の特徴は、前後に10インチタイヤを採用したこと。アドレス110は、少々の悪路にも対応する14インチ、アドレス125は前12/後10インチの前後異径パターンと、モデルごとにサイズが異なる。ちなみに生産国もそれぞれで、110はインドネシア、125は中国、そしてスウィッシュは台湾となる。

スウィッシュの収納、ホントに使えます!!

スウィッシュは、1250mmのホイールベースに、全長は1830mm。どちらも上記3車種のなかで最も短い。アドレス125が、快適性向上を狙って少し大きくなったので、スウィッシュの大きさを好感するユーザーも多いだろう。GSXチックな(!?)縦型2灯ヘッドランプが、ハンドル部ではなくボディカウルに埋め込まれるスタイルは好き嫌いが分かれそうだが、ギロリと迫力があって、実際、明るい。ロウ、ハイビームともLEDタイプ。

装備も充実していて、キーシリンダーはいたずら防止のシャッター付き。燃料キャップとシートのリリースも同じ鍵穴で行える。シート下には、28リッターの大容量スペースがある。試しにバイザーを外したアライ「ツアークロス3」(57-58サイズ)を入れてみると、横にすれば、ちゃんとシートを閉められる。しかもスペースを余したままで!
スズキ スウィッシュ
スクーターの荷室にこの型のフルフェイスが入ることは珍しいので、スウィッシュの収納、ホントに使えます!!そのうえ、ヘルメットホルダーになる突起も備わるので、タンデム時にも安心。リアキャリアも標準で装備される。

ボディカウル裏の大きなモノ入れ、折りたたみ式コンビニフックといった便利装備に加え、充電用のUSBソケットが備わるのが嬉しい。これならスマートフォンをナビ代わりに使っていても、バッテリー残量を心配しないで済みますね!

スウィッシュのシート高は760mm。数値的には高くないのだが、クッション性の高いシートの横幅が広いので、身長165cm(足短め)ライダーの場合、思ったほど足つきに余裕がない。あくまで「思ったほど」なので、実用上は問題ありませんが。一方、足が長い人用に(?)、フロアボード前方部分にもう1段足を載せるスペースが設けられる。足を伸ばしての走行も可能だ。

「ラク」を実感するサイズ

スズキ スウィッシュ
エンジンは空冷単気筒。9.4psの最高出力と10Nmの最大トルクはアドレス125と変わらないが、CVTのセッティングが見直され、加速が強化された。発進加速も十分だが、むしろ感心したのは、40km/h付近の巡航から再加速するような場面。スロットルを捻ると、スウィッシュは「ヒーン!」という吸気音を響かせて力強く速度を上げる。交通量の多い都市部では図らずも強めの加減速を強いられることが多いので、この余力はありがたい。ストッピングパワーにおいても、フロント2ポッドのキャリパーが奢られたブレーキが、頼もしい。

このバイクのライドフィールは、100/90-10サイズの「幅広=接地ラバー多め」のタイヤに支配される印象だ。もちろん、太めのフロントフォーク、2本のリアダンパーと贅沢な足まわりがスウィッシュの走りを下支えしているのだが、路面からの入力をゴムが弾き返す……と、感じることが多い。ステアリングを切れば「スッ」とコーナリングに入るのだが、その際も、ゴムの微かな抵抗を感じながら、けれども素早くスムーズにロールする。燃料タンクがフロア下に移されたこともあって、10インチタイヤを履く新型スクーターは重心が低く、おもしろいように小さく、細かく曲がれる。まさにシティ派ですね!

左右に首を振るタイヤが小さいことは、「最小回転半径2m」というスペック以上に便利。狭い路地は無論のこと、思わぬ行き止まりに突き当たってUターンしたり、さらにバイクを押しながら混雑した自転車/バイク用駐車場に停めるときなどに、「ラク」を実感する。スウィッシュの10インチは、降りてもありがたいサイズなのでした。
スズキ スウィッシュ

《ダン・アオキ》

この記事の写真

/

ピックアップ

Response.TV